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右脚蜂窩織炎（ほうかしきえん）と感染症のため療養中の曙は、予定されていたすべての試合をキャンセル。これにより５月１２日名古屋大会で行われる予定だった曙、将軍岡本組vsサップ、ＴＡＲＵ組も消滅した。

　しかも２０１５年大みそかの「ＲＩＺＩＮ」（さいたまスーパーアリーナ）以来となる曙vaサップは目玉カードだったため、大会自体が開催危機に陥っていた。

　この窮地に立ち上がったのが邪道だ。「早い復帰を願うばかりだよ」とまずは病床の曙をいたわると、こう続けた。「曙さんとは最初に電流爆破をやった試合（１２年８月２６日、横浜）で、肺炎を併発させて入院させてしまったいきさつがある。だから今回は俺が代打で出場できないかなって。ぜひサップと電流爆破をやらせてほしい」

サップとの爆破戦は全日本プロレスとＫ—１が中心になって開催した「ＷＲＥＳＴＬＥ—１」（０３年１月１９日、東京ドーム）で実現しなかった“幻のカード”で、大仁田は曙の欠場前から希望していたものだった（本紙既報）。さらには「俺が復活した起爆剤が、曙さんとやったあの電流爆破だった。だから感謝の気持ちがある。ここは俺に任せてほしい」という理由から、緊急出場を直訴したのだ。

　邪道の意向を受けたゼロワン側もすぐに動いた。同団体関係者はこの日の夜、「大仁田さんの意向はサップ側に伝えました。これから細かい話し合いに入ります」と明かした。

　試合形式などで難交渉になる可能性もあるが、決まり次第、正式に発表される見込み。邪道vs野獣はもちろん注目の初対決。大会消滅危機から一転、異次元カード実現の可能性が高まってきた。