🏥 北海道病院・医師

５日に６人の感染が発覚した時点で隔離などの対応をしなかったことについて、田代副院長は「感染者の部屋が別々なうえ、病床がいっぱいで余裕がなかったため、隔離のための部屋は用意できなかった」と述べた。その後も、隔離は行えなかった。

　今後の対策としては、田代副院長は「インフルエンザの院内感染が何人になったら隔離するなどの基準を設け、同室の患者に抗インフルエンザ薬を投与するなど早期に感染を察知、拡大を防ぐようにマニュアルを見直したい」とした。

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枝幸のインフルエンザ院内感染　他病院も対策に苦慮「患者の隔離難しい」
03/24 05:00

インフルエンザの集団感染が発覚した枝幸町国保病院。病室に余裕がなく感染患者の隔離スペースを確保できなかった

　枝幸町国保病院（８３床）で入院患者と職員計３１人がインフルエンザに感染し、患者４人が死亡していたことが分かって２３日で１週間がたった。同病院では、多くの高齢者が入院し、感染拡大を防ぐための隔離スペースを確保できなかった。留萌、宗谷管内の病院からは「隔離病室を確保する余裕はない」との声が相次ぎ、インフルエンザ対策に苦慮している実態が浮き彫りになった。

■空き室確保、経営的に厳しく

　枝幸町国保病院は一般病床と療養病床が計８３床あり、長期入院する地域の高齢者の受け皿となっている。インフルエンザ集団感染が確認された５日時点で、８３床のうち７８床が埋まっていた。入院患者は７０歳以上が９割を超える。病院側は患者の隔離が感染拡大を防ぐ有効な手段と認めながらも「必要なスペースを確保できなかった」という。

　病室に余裕がない状況で患者の隔離が難しいのは、留萌、宗谷管内の他の病院でも共通した課題だ。礼文町国民健康保険船泊診療所（１９床）は、全病床のうち通常は７割ほどが埋まっており「隔離は難しい」。留萌セントラルクリニック（１９床）は「救急外来の患者も抱えており、隔離用の病室を確保する余裕は正直なところない」と悩みを打ち明ける。

　留萌記念病院（１１７床）は「病床の稼働率が高く、空き室を確保しておくのは経営的にも難しい。その場でしっかり対応して防ぐというのが基本」という。市立稚内こまどり病院（４５床）は院内でインフルエンザの感染が拡大した場合、「一つの病院でできる対処は限られる」。地域の一つの病院に情報センター機能を持たせ、感染していない患者を他の病院に移すなど「広域的に対応するべきだ」と主張する。

枝幸町国保病院インフル感染　対応の不備を指摘　道調査

03/30 11:57


集団感染は収まったが、２階病棟では面会制限が今も続いている＝２９日

集団感染は収まったが、２階病棟では面会制限が今も続いている＝２９日


　【枝幸】町国保病院（８３床）で発生したインフルエンザの集団感染を巡り、道が２９日に発表した調査結果では、感染源の特定には至らなかった。病院側は、隔離用の病床を設けるなど再発防止策をまとめたが、道は今回の対応に不備があったとして指導を徹底していく方針。地域の基幹病院として信頼を寄せていた町民からは徹底した対策を望む声が上がった。

　同病院では３月５日から１３日にかけて、入院患者と職員計３１人がインフルエンザに感染し、患者４人が死亡した。道が１６日に実施した立ち入り検査の結果を発表した２９日、同病院は「数多くの方にご不安、ご心配をかけて申し訳ない」とのコメントを発表した。

　道の発表では、院内での感染原因の可能性として、《１》感染した面会者との接触《２》症状がなく、感染に気付かず勤務した職員《３》感染した救急患者との接触—を挙げたが、特定はできないとした。加えて、病院職員に手洗いや消毒などの予防策を十分に徹底させていなかったことを指摘した。

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