ハリケーン「オフィーリア」は現地時間15日夜に熱帯低気圧に変わり、16日にアイルランドと英国に暴風雨をもたらした。
北大西洋から欧州に向かった観測史上類を見ないハリケーンだ。
オフィーリアは、一時は勢力をカテゴリー3まで伸ばしたが、その後は次第に弱体化し、現地時間15日夜に熱帯低気圧に変わった。
しかし、最大風速35メートルの暴風を保ちながらアイルランド北部を直撃し、天気は大荒れになった。
同国の気象機関(Met Eireann)は16日、北アイルランドと英国の北西部に気象警報を発令。
各地で屋根瓦が吹き飛ばされたり、停電が起こるなどの被害が報告されているという。
熱帯性の低気圧で、海は大しけの状態で、沿岸部では高波被害も発生しているが、英国とアイルランドに季節外れの暖かさをもたらした。
英国では10月の平均最高気温がせいぜい14℃止まりだが、熱帯低気圧によって、所によっては24℃に達する場所もあると言う。
さらに、上空には真っ赤な太陽が出現。
空の色が不気味な紅色に染まるようすをとらえた写真がSNS上をにぎわせている。
これはハリケーンによって、北アフリカのサハラ砂漠から運ばれたチリなどの微細な粒子が大気中に増えたことで、太陽光が乱反射し、夕焼けのように空が真っ赤に見えるのが原因。
しかし目撃した市民のなかには、シェークスピアの戯曲『ハムレット』で自殺した「オフィーリア」になぞらえてこの怪現象におびえる人も少なくなく、気象機関が懸命な説明に追われている。
【日時】2017年10月17日(火) 10:36
【提供】ハザードラボ