韓国の国家公務員試験で、受験者の政治思想や愛国心を測ろうとしたとして、大問題になっている。
問題視されているのは、「5級公務員」と呼ばれる国家公務員(行政職)の採用試験。
複数の韓国メディアによると、同試験の最終面接で面接官らが「歴史教科書の国定化についてどう思うか」「“漢江の奇跡”(1960年代以降の韓国の高度経済成長)の原動力は何か」などと質問したという。
周知の通り、歴史教科書の国定化は朴槿恵大統領の悲願ともいえる政策であり(参照記事)、もうひとつの「経済成長の原動力」という質問も、朴正煕大統領を連想させる誘導尋問のようなもの。
同公務員試験は、最終面接で受験者の30%が落とされるといわれており、当落を左右する最終面接において受験者が朴親子の政策を否定するような答え方はできないだろう。
つまるところ、政治思想を強要しているようなものだ。
ある受験者は「試験結果に影響が及ぶと思って、本当の自分の考えを答えられなかった」と明かしている。
受験者が韓国メディアに明かしたところによると、ほかの公務員試験の面接においても、「愛国歌(韓国の国家)の3番と4番を歌ってみろ」「太極旗(韓国の国旗)を描いてみろ」といった質問があったという。
愛国心を試されるような質問が繰り返されており、事実上の“愛国心検証”が行われているというわけだ。
不適切な試験によって、現政権・保守政権の支持者だけを国家公務員に採用するような動きを見せている韓国。
“行政の中立性”から最も程遠い国家といわざるを得ない。
【日時】2015年11月18日(水)
【提供】日刊サイゾー