■京都競馬場が地方になった?
3月になって少し暖かい日が続くのと歩調を合わせるように、競馬界にホットな話題が舞い込みました。
なんと!2018年のJBC競走が、京都競馬場で開催されることが発表されたのです。
JBCといえば地方競馬の祭典で、開催場は毎年持ち回りで行われています。
そうすると、京都競馬場は地方競馬場になったのか?そんなことはありません。
では、かつての札幌競馬場や中京競馬場のように、地方も開催する競馬場になったのかといえば、そうでもありません。
それなら、その日だけ地方が借りるのか?事実は、JRAがJBCを開催することになったのです。
地方のレースを中央で施行するといえば、2011年のマイルチャンピオンシップ南部杯を思い出します。
あのときは、震災の関係で臨時の代替開催でしたが、今回は初めから開催地として中央主催が決定されています。
もっとも、JBCは中央・地方で統一されたダートグレードレースの祭典ですから、地方だけで開催する必要はないとも考えられます。
今回の決定の背景として、集約力の大きい中央で開催することで、よりダート競馬を認知させられるとの狙いがあるようです。
地方側としては、それによってファン層の拡大を期待し、中央サイドでは日本の競馬をより発展させるというものです。
その観点からは、もっと早くに中央開催を行っても良かったかも知れません。
■地方の現状を反映した措置か
しかし、そんな明るい話ばかりではないだろうと思うのが日本の競馬ファンとしての実感です。
JBCでは、クラシック8000万円・スプリント6000万円・レディスクラシック4100万円という地方競馬では破格の1着本賞金を負担しなくてはなりません。
もちろん、馬券もたくさん売れますから、ただ支出が増えるだけではないです。
しかし、現実に大レースをまとめて開催できる能力を持った主催者・競馬場は限られています。
これまで、17回行われているJBCでは大井競馬場での開催が7回もあり、川崎3回と船橋1回を加えて11までもが南関東開催となっています。
開催規模では南関東に次ぐはずの兵庫県でさえ、園田で1回やったきり。
その第8回開催が大盛り上がりだったにもかかわらず、その後の開催には至っていません。
そんな中で2度開催している名古屋は大健闘といえるでしょう。
残りは盛岡2回と金沢1回で、他の競馬場では1度も行われていないのです。
この調子では、2018年も大井あたりでやるしかないのでは?という流だったでしょう。
いろいろな事情があっての中央開催だと勘ぐってしまいます。
中央でやるなら、それなりの客を呼べる競馬場を選ぶ。
但し、南関東に近いところは避ける。
と、考えたかどうかは知りませんが、京都競馬場が選ばれました。
開催時期は11月の上旬で、詳細はこの秋に決まるとか。
例年11月開催ですから、11月に開催のない阪神が選択されないのもわかる気がします。
京都の方が大きいですし、関西で一番儲かる競馬場といえますし。
いまのところ、2018年限定の中央開催となっていますが、数年に一回くらいは中央でやるのがベストなんじゃないかとも考えられます。
いずれにしても、最初で最後になるかも知れない京都でのJBCですので、いまから予定を組んでおきましょう。
【日時】2017年03月16日(木)
【提供】YAZIUP