🏃🏾 スポーツニュース

■絶好の芝コンディションでありながら差しが効く
何を隠そう昨年の毎日王冠から感じてはいたが、秋の府中開幕週芝コースはとにかく「差し天国」である。

逃げ天国とか内枠天国というのはしょっちゅう聞くけれど、差しの上に追い込みがかぶさる「ズブズブ」の結果ばかりになるのは、中央競馬では非常に珍しい。

プレクラスニー、ダイタクヘリオス、ネーハイシーザー、スガノオージ…どの馬も先行して秋の毎日王冠を沸かせたレトロな存在ではあるが、今の馬場ではその活躍は考えられない。

「絶好の芝で先行有利」の先入観を取っ払って挑んでいかないと、秋はずっとやられっぱなしということになりかねない現実がそこにはある。

■むしろ人気馬の「凡走」から気づかされた
初日10Rの本栖湖特別。

1番人気だった岩田騎乗のサーレンブラント。

これがひどかった。

残り400まで最後方でどこにも進路がなく「ああ、これはやっちまったな」と目を離したのが残り200。まだブービー。

なのに！そこから外をすごい脚でせまるピンク帽。

あわや2着の勢いでサーレンブラントがゴールイン。

「？？？　なんだこりゃ？」である。

残り1ハロンから、チェスナットコート→ウインヴォラーレ→ネイチャーレットと頭が3転までした「ズブズブ」決着。

でありながら、上がり1Fは34.9秒。

あれが来るならメインで狙うは追い込み型一本。

「毎日王冠の3歳女王はアブないぞ」と思わなければ、ウソである。

■持ちタイムがなくても突っ込める奇っ怪な良馬場
「差し・追い込み」がよいと言っても、なんでもかんでも買えるわけじゃない、そう思っていた。

ところがサーレンブラントを下したネイチャーレット（上がり34.1）や、日曜に同じ2400の平場を勝ったメジロドーベルの息子・ホウオウドリーム（上がり33.0！）など、持ちタイムが全く劣るような、できれば洋芝か稍重がいいというような「鈍重」タイプが、胸のすく追い込みを見せている。

これは非常事態だ。

ダメ押しするなら、壊滅状態と言われる中でがんばった先行馬のプロフィールを見てもいい。

月曜8Rの12番人気カンバンムスメや、10R六社Sの1番人気パフォーマプロミスら、馬券になった先行勢には「稍重、洋芝」での好走歴があった。

これはグリップの効く府中の芝コースがスピード一辺倒では押し切れなくなっていることの証左ではないか、と思う。

重苦手の女王ソウルスターリングの反面教師としてもつじつまが合うし…。

たしかに金曜に降雨はあった。

が、「世界一乾くのが早い」と異名のつく府中コースである。

実態はどうやら

▼「差し天国」の皮を被った「パワー型馬場」

がお化けの正体であり、穴馬券キーワードは

▼「重・洋芝」

であることを忘れずに。