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■中国の僻地で活躍するドローン
11月11日といえば中国では「独身の日」で、毎年ネット通販を中心に大変な賑わいを見せています。

例えば、かのジャック・マー氏率いる中国ネット通販最大手「阿里巴巴（アリババ）」が、今年の独身の日で売り上げたのは1,682億人民元、日本円にして実に2.9兆円といいますから、実に中国、日本にはないダイナミックさを持っているのです。

それだけ物が売れると大変なのは、ネット通販だけに物流です。

なんでも独身の日のセールだけで、15億個もの荷物が出るといいますからこれまたダイナミック。

一体どうやってこなしているのか?　と思ったら、物流網が貧弱な農村部向けの配送にはドローンが活躍しているよう。

実際にNHKのニュースでは荷物を空輸するドローンの様子が報じられていました。

■発表当時は画期的だった、フレッド・スミス氏の理論
「6カ所の空港をつなぐのに必要な航路は15本だが、そのうち1つをハブ空港にすると航路は5本で済んでしまう」

フェデックスの創業者・フレッド・スミス氏が発表した「ハブ・アンド・スポーク」理論はその後の物流に大きな影響を与えました。

例えばヤマト運輸の小倉昌男氏も、ハブ・アンド・スポーク理論に影響を受けた一人。

この理論に基づいて全国に物流網を張り巡らし、現在の「宅急便」のサービスを成功させたのです。

しかしこの理論を実践するためには、ハブとなる物流拠点をあちこちに築かなければならないとか、配送や仕分けの人員を確保しなければならなかったりと多額の投資が必要となるのです。

■世界中で環境が整っているとは限らない
そんな物流網が整った日本で生活している犬助は、アマゾンやグーグルなど大手IT企業が、近年ドローンを使った物流に取り組むべく研究を進めているという話を聞いても、ピンとこなかったのです。

しかしアマゾンやグーグルが目指していた、ドローンを物流に利用するというアイデアは、始めから日本の様な物流網が整った地域での活用を目指しているのではなかった。

遅ればせながら犬助は、今年の独身の日の報道で、そのことに気が付きました。

例えば中国のような、物流網が整っていないような国や地域で実現させること。

加えて、独身の日のような1日集中の需要が発生するケースでこそ有用になるのがドローンによる物流だったのです。

■携帯電話でも同じようなことに気がついたはずなのに
「アフリカの○○族は観光客向けに腰ミノを付けて踊った後は、携帯電話で通話しているらしいぜ」何て話がありますが、これは○○族のなんちゃってプリミティブぶりを笑うためのものではありません。

この話の裏には、電話線というインフラを一切施設することなく、アンテナを立てるだけで通話が可能になるという、携帯電話の隠れた特性があるのです。

犬助ならば「固定電話も普及していない所に携帯電話の需要なんてない」と思ってしまうもの。

しかし優秀なビジネスマンは、携帯電話のローコストさに目をつけて、いち早く電力の安定供給すら怪しい地域に、携帯電話のアンテナを立ててしまう。そして固定電話などには目もくれず、携帯電話を普及させてしまうのでしょう。

身の回りの環境と同じものが世界中にあるとか、世界中の人々も同じ考えを持っているとか。

気が付かないうちに非常に偏狭な考え方に凝り固まってしまいがちなのです。

それで色々なものを見逃してしまうもの……早くコレに気がついてれば、ドローンで一儲けできたかも!!　などと今ごろになって考えている犬助は、優秀なビジネスマンとは、ほど遠いわけで。