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国税庁が1日に発表した2016年分の静岡県内の路線価（1月1日時点）は平均で前年比0.9%下がった。8年連続のマイナスで、下落率は前年と同率。県内に13ある各税務署管内の最高路線価は10地点で上昇か横ばいになるなど比較的好調だったが、郊外や沿岸部などでは下落に歯止めがかかっていない。

　路線価は主要道路に面した民有地の1平方メートルあたりの標準価格を算出したもので、国税庁が全国33万地点（県内約8800地点）を調査。相続税や贈与税の算定基準として用いる。

　県内で最高路線価が下落したのは島田、沼津、下田の3地点だった。15年に比べて2地点減少している。

　下田は震災時の津波リスクが高い沿岸部を抱えることもあり、路線価を押し上げる材料が見当たらない。島田は郊外の商業施設との競争が厳しい駅前の商業地が路線価を押し下げた。沼津は新幹線駅を抱える三島に押され、企業間では県東部の拠点都市としての性格を喪失しつつあるという。

　一方、最高路線価が上昇したのは藤枝、熱海、磐田、静岡、三島の5地点だった。藤枝では前年から最高路線価地点が駅寄りに変更になった前島1丁目（藤枝駅吉永線通り）が最高価格で、8%上昇。不動産鑑定士は好調の理由について「商業施設の進出などでマンション需要などが伸びている」と指摘する。

　最高路線価が横ばいから上昇に転じたのは、熱海市田原本町（4.9%上昇）と、三島市一番町（2.1%上昇）。両地点ともに商業施設の需要が増しており、観光客増の後押しを受けた。