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■管理にひと苦労するパスワード洪水時代
いまや大手サイトだと数週間に1回くらいは「パスワードを変えてね」というお知らせが来る時代となった。

もちろんそんなに頻繁に変えはしないけど（コラコラ）、例えばPCを新しくしたとか、パスワード管理アプリを導入したとか、なんらかの整理整頓が必要になったとき、これはパスワードを一新するチャンスかもしれない。

けど常識的に考えて、すでに生活の一部となっている「頭に染みこんだパスワード」を新しくするって、ほんと大変な労力だよ。
そこへもって、最近あるパスワード専門家から「過去に私の言ったことは全部間違いだった」という衝撃の告白がされたというから、ただ事じゃない。

■専門家が過去の失敗を振り返る
この専門家、仮にB氏とする。

B氏は米・国立研究所に所属していた元管理職であり、研究所における「ネット上でアカウントを守る方法」を仕切っていた人物である。

さてそのB氏が以前勧めたパスワードというのが
▼記号や大文字を混ぜる
▼意味のある単語より無意味な羅列を用いる
▼定期的に変更する
という、いまやごく普通に語られる対策であった。

そこで米の連邦機関や大学、企業などはこぞってこれに倣い、実際今でもこのやり方が続いているところもあるという。

いったいこれの何がいけなかったというのか。

■実は全然役に立っていなかった！
ところがパスワードを破るハッカー側からしてみると、これでは全然対策になっていないのだという。

例えばパスワードを定期的に変えると、

→その煩雑さから頭か尻尾の1文字を変えるだけ、というパターン化を思いつく
→やがて似たようなパターンが増殖
→過去ログを調べればヒントが満載
→芋づる式にすべてのパスワードが被害に遭う
というようなことが起きうるのだという。

またランダムな文字列のパスワードは、意味のある単語の連続よりも「数段早く」盗まれる計算なのだという。
ちょっとおー、今までと丸っきり話違うじゃないのよー。

■意外な安全パスワードの正体とは

では、今のところ何が一番安全かというと、これが
▼短い単語を4つ繰り返したもの
▼文章を一つの単語に見立てたもの
こんなパスワードがオススメなんだとか（え？簡単）。

いいですか、繰り返しますよ。

×意味のない文字列はダメ
×定期的に変えるのもダメ
×数字や大文字、特殊文字使いはもはや都市伝説だ

連続する一文のかたまりなどは、うまくいけばハッカーでさえ500年以上破られないパスワードに仕上がることもあるんだとか。

なるほど、それならわざわざ変える必要はないわな。

自分のMacOSでも「こんなパスワードいかが？」とばかりに押し売りしてくる機能がまだあるけど、次は「こんな長文をパスにしてみたら？」というお誘いにバージョンアップしないかなぁ。