🌍 ニュース総合

宮崎県のえびの高原・硫黄山は、きのう午後3時39分以来、けさ6時半ごろまで約15時間にわたって噴火が続いた。

火山性地震はここ数日間相次いでいたが、激しい噴気による振動が大きいため、正確な計測ができないという。

一方、噴火開始から4分後に噴火速報を出した気象庁に対して、「遅すぎる」という声も上がっている。

気象庁によると、19日午後3時39分に噴火した硫黄山は一夜明けたけさ6時半ごろまで噴火が継続。

現在も、モクモクとした噴気が絶え間なく放出されている。

気象庁は噴火後の午後３時43分、福岡と鹿児島の気象台から噴火速報を発表。

宮崎県によると噴火当時、えびの高原には民宿や足湯の駅、エコミュージアムセンターなどの従業員を含む41人が滞在していたが、午後5時20分までに避難を終えたという。

鹿児島大学の火山学者、井村隆介准教授は「噴火から4分後に速報が出されても、火口から1キロ程度のところにいる人には意味がない。ミヤマキリシマの花が咲く季節など、観光客が多いときに噴火していたら犠牲者が出たかもしれない」と、今回の気象庁の対応を批判している。

気象庁は、噴火警戒レベルの運用を開始して以来初めて、入山を規制する「3」に引き上げた。

硫黄山では先月、南西斜面に湯だまりが出現するなど火山活動が活発化しており、今月17日には火山性地震が100回を超える日もあった。

19日の噴火以降は、噴気が出るたびに激しく振動するため、地震計が小さな火山性地震をとらえられない状態だという。

宮崎県と鹿児島県にまたがる霧島連山は、近年は新燃岳の活動が目立つが、複数の火山にまわりを囲まれたえびの高原硫黄山も、1300年〜1500年ごろにかけてマグマ噴火を起こしており、最後の記録は1768年の山体崩壊が起こった水蒸気噴火だ。

以来、250年間は噴火こそ起きていないが、常に地熱や噴気活動が続いており、与謝野晶子が1929年に霧島を訪れた際に「えびの湯に 人たどる路みえずして 広く硫黄の 黄の続き原」と、荒涼とした硫黄山の風景を歌に詠んでいる。

現在、監視カメラ画像では、硫黄山から土砂が噴出して熱泥がえびの高原の登山道付近まで流れているという。

気象庁は「霧島連山の地下深くではマグマが蓄積されている可能性がある」として、噴火によって大きな岩や火山灰の飛散、火砕流が発生するおそれがあるとして警戒を呼びかけている。

• 

  
  

  https://twitter.com/fikgm/status/98690861001275801...