🕊️戦争と平和

《20》
我が国は群島国家であって、陸続きには他国と接していない。
そんな我が国にドイツ式の作戦計画…動員⇒奇襲開戦主義を適用しようとすればどうなるか。

我が国の戦争は渡洋作戦にならざるを得ない(こちらからの奇襲開戦なのだから当然だ)。
そうなると、ドイツ式では想定されない新たな(クラウゼヴィッツの言うところの)“摩擦”が生じるのは明らかだ。

つまり政府も陸軍も、海軍にお願いして、海上の兵站戦を啓開し確保してもらわねば戦争など出来ない。
旧軍では工兵が自分たちのことを“輜重兵の馬の足”と自嘲したが、海軍サンにはさらに“その足の足”をやってもらわねばならないのだ。

海軍もそのことを十分に理解していたから、作戦はもとより開戦のタイミングについてもゴネたのだ。

山本権兵衛が(陸軍)参謀本部の作戦計画を見て「陸軍は海に橋でもかけるのか」と言ったのはまさにそれだろう。
結局我が国は、海軍サンの御意向を立てずには作戦計画など立てられなかったのだ。

本来のドイツ式なら話はより簡単なはずだった。
陸軍は海軍に優越する。
その参謀本部が作戦計画を完全に掌握する。
ドイツではそういう陸軍(参謀本部)の優越が大前提だったのだから。

我が国も当初はそうだった。
しかし海軍はあくまで海軍軍令部と陸軍参謀本部とを対等にするよう要求した。これが叶うのが1903年だ。
山本権兵衛の要求に山縣が折れる形で、我が国には陸海軍の参謀組織(作戦・用兵の為の組織)が対等に並立つ特殊な形になる。

その後、陸軍から両組織の統合(統合参謀本部)を求める声があったものの、それが叶うことは最後までなかったのだ。

(この海軍軍令部の強化による海軍の独立性の功罪は、また書くことになるかもしれない)

《21》
ドイツ式なら参謀本部(陸軍)が事前作戦計画を作っている。
宰相ビスマルクが動員下令すれば、あとは部隊はその作戦計画に従って自動的に敵地に侵攻していくのだ。

しかし我が国はそうはいかない。
海軍にも陸軍と対等な裁量を持たせねば、海軍は納得しなかった。

この海軍のご機嫌をとるために、本来のドイツ式では一本化するはずだった作戦・用兵の機能…参謀本部は陸海軍の二つに分けられてしまっているのだ。

要するに我が国は島国という事情もあって、海軍に配慮せずには戦争を始めることなど出来なかったわけだ。

さらに最後通諜や開戦通知とは外交手続きであるから、開戦のタイミングを調整するためには、外務省もまず海軍との接点が極めて重要になるのだ。

こうしたことから我が国ではドイツとは異なり、海軍の発言力が極めて強くなったのは当然だろう。

そういう特殊な状況でありながら、我が国は海軍のご機嫌をとりつつ、日清・日露の戦役を我が国は勝ち抜いたとも言えるわけだ。
(無論、日清戦争当時は陸軍参謀本部が組織図的には海軍軍令部に優越してはいる)

ここで話しを>>46《18》に戻す。
日露戦争の勝利が、この我が国の島国ゆえの条件を根本的に変えてしまったことを考えねばならない。

《22》
日露戦争によって我が国の地理的条件がどう変わったか？
一つには我が国周辺から帝国海軍に対抗可能な外国海軍が消滅したこと。
そしてもう一つ。
我が国が朝鮮半島に常設師団を置けるようになったことだ。

確認しよう。
我が国の開国以来の仮想敵国は言うまでもなくロシアだ。
島津斉彬が懸念したように、ロシアが沿海州〜樺太を押さえ、さらに満州〜朝鮮半島を押さえた時、我が国の防衛は根本的に不可能になるからだ。

その懸念は地政学的に見て全く正しい。
その状態になれば、我が国は北海道と九州の二方面に限られた国防資源を分散させられてしまうのだ。

そういう状態を招かぬために、我が国は明治維新を断行した。
近代的な教育を身分や出自に関係なく、全国民に与えた。
そして優秀な人材を幅広い階層から掬い上げ、官僚や軍人を養成した。
それによって対外的な圧力に対抗しようとしたわけだ。

しかし日露戦争によって我が国は、この開国以来の戦略目標…ロシアによって北海道と九州の両面から挟撃される可能性の排除…を達成した。
朝鮮半島には陸軍の常設師団があり、有事即応が可能になった。

この我が国にとって極めて喜ばしい状況において、危機感を覚えた組織がある。
それが海軍ということになるのだ。

《23》
既に述べたように、地理的条件から我が国の開国以来の仮想敵国は強大な陸海軍を擁するロシアである。

大政奉還からわずか38年、我が国はその軍事強国ロシアを撃ち破り、幕末以来の悲願を達成したわけだ。

しかし忘れてはいけないことがある。
日露戦争で勝利し、ロシアを朝鮮半島から排除し、南樺太を割譲しても、やはり我が国にとって警戒すべき国はロシアであるということだ。

消滅したのは我が国の沿岸交通路を脅威し、我が国への地上軍侵攻を支えたロシア海軍のみで、その巨大な陸軍はいまだ健在であるからだ。

ロシア陸軍は全通なったシベリア鉄道で、その陸軍を極東に送ることが出来る。
そうなれば再び朝鮮半島をうかがうかもしれないのだ。

しかし状況は変わった。
日露戦争後、我が陸軍は朝鮮半島に常設師団を置いた。
つまり有事なってから複雑で手間のかかる渡洋・上陸作戦を考えずとも、陸軍の有事即応が可能になった。

また本土から増援部隊を送るにも、ロシア海軍の妨害もほとんど考えずに済むようになったのだ。

これが意味することは何か。
一つは、我が国の国土防衛上の安心感が増したことだ。
この安心感が大正デモクラシーと呼ばれる時代の空気を生むことになった。

そしてもう一つ。
我が国は日露戦争で多額の戦費を海外から募った。
それは返済に第一次大戦後までかかる莫大な金額であった。
借金返済の為に不要な部署をコスト・カットするのは当然だろう。
そして今や極東には我が国に対抗可能な海軍はないのだ。
つまり、もはや我が国に大海軍は不要になった…はずなのだ。

《24》
日露戦争は我が国の国防上の安心感を増した、そして同時に大海軍の存在意義を消し去ったのだ。

我が国はこの勝利の後、新たな国防上の戦略目標を設定し直す必要に迫られた。

普通に考えれば、仮想敵国は無論、引き続きロシアである。
しかしそれでは納得しなかったのが、言うまでもなく海軍だ。

対ロシア戦を考えれば、もはや日本海海戦のような華々しい艦隊決戦など起こりようがない。

もはや極東ロシア海軍など存在しない。また海軍のご機嫌をとらずとも、陸軍は既に朝鮮半島におり、満州でロシア軍と対峙できるのだ。

将来の戦争には海軍が目立つ出番はない。
それこそ“輜重兵の馬の足の足”をやるだけなのだ。

海軍は自らの組織の規模と、それに付随する権力を守りたければ、新たな仮想敵国を提示しなければならない。
この当時の海軍の危機感は『このままでは我々はイタリア海軍化する』という言葉で語られた。

海軍はその自らの権力を維持する為の方便を見つける。
それが『我が国の仮想敵国はアメリカであり、アメリカに対抗するためには、引き続き大海軍を維新・強化しなければならない』ということなのだ。

そして結局我が国は、この海軍の要求を受け入れることになるのだ。
では、なぜそんなことになったのだろうか？

《25》
我が国政府は、なぜ海軍の荒唐無稽な提案…米国が我が国の仮想敵国である…を受け入れたのか。

理由はいくつかあるが、ここでは軍隊という強力な武力組織は、常に政府のコントロール下に置く必要がある…この点から考えてみたい。

特に近代の始め…第二次世界大戦以前に顕著だが、政府は国軍…中でも陸軍をうまく御するために、何らかの組織を並列に置くのが普通に見られた。

はっきり言えば、その強力な権限を有する参謀本部によるクーデターへの備えだ。

現在でも共産党政権の国々をはじめ、独裁色の強い国によく見られるが、つまり軍隊とは別の武力組織を強化するということになる。

内務省直轄の武装警察しかり、現在のシナにおける警察軍しかり、ナチスの武装親衛隊などもまたしかりだ。
フセインの親衛隊もその真似だ。

これらの“軍隊ではない武力組織”をカウンターとして持つことで、参謀本部…陸軍の政治的反逆を抑える手段としたわけだ。

しかし我が国にはそれがない。
我が国では戦前から警察はあくまでも武力を持たないのだ。

では戦前の我が国で、参謀本部(陸軍)の暴走をコントロールすることを期待されたのはどんな組織か？
ここまで言えば分かってもらえるだろうが、それはすなわち海軍だったのだ。

政府としては日露戦争の勝利で、本来はお役御免になった海軍であっても、それを弱体化させることで陸軍が突出してしまうことも避けたかったわけだ。

そういう考えもあって、海軍の無茶な方便も比較的すんなりと通ってしまったといえる。

日露戦争の結果から見れば、以後の海軍の戦力は半分にしてもなんの問題もなかった。
しかしそれでは陸軍への抑えが効かないのだ。

そうして以後も海軍は軍事予算を陸軍とほぼ折半した形で、その規模を縮小するどころか、さらに大海軍の維持・強化に努めることが許された。

本来我が国は地政学的に米国と鋭く対立する理由がない。

しかし米国が敵である限り、海軍はその予算…権力を維持されることになったのだ。
このことが後々の対米英開戦の布石になってしまうわけだ。

《26》
【本当の序章】
…と、つらつらと書いてきたが、このスレの趣旨は“先の大戦における開戦責任はどの国が負うべきか”を話すことではない。

スレタイに示したように、より大きな視点から戦争と平和について考え、その為の材料を整理することにある。
ここまで書いたことはあくまでも掴みとしての“序章の序”ということだ。

以下で戦争と平和について、一般論として書いていきたいと思う。
まず確認してみたいのは“侵略”という言葉の“政治的な意味”の変遷だ。

外交用語としての侵略の意味は、既に述べたように“作戦計画に基づく先制攻撃”でよい。

ただ、いつから侵略は悪いこととして認識されるようになったのか、またそれに至るまでに侵略とはどのような見方をされてきたのかを考えようということだ。

その話の中で気づいて欲しいのは“戦争反対”と“侵略反対”とは思想・行為が全くの別モノだということだ。

これに気づけば、怪しげな反戦思想に絡めとられることはない。
また世界のどこかで戦争が起こった時、その可否を判断する際に、見当違いな意見を述べて失笑を買うこともなくなるはずだ。

これから話すことは、少なくとも政治に関与する民主国家の国民であるなら誰でも知っておくべきことだ。
有権者として自国政府の行動に賛否を述べる際にも不可欠であるはずの話しだ。

我が国は今後好むと好まざるとにかかわらず、戦争というものを一層リアルなものとして感じざるを得なくなるだろう。

しかし、それは特別なことではないし、世界や我が国が悪い方向に向かっているからでもない。

今まで日本国民は知らんぶりして済ませてきただけで、国際社会はずっと戦争について真面目に考え続けてきたのだ。

我が国だけが例外として済まされた時代は終わりつつある。
それに備えた頭の体操だと考えてもらえれば幸いである。

《27》
戦争はなぜ起こるのか？
まずこれについて考えてみたい。

かつて左翼陣営の人々はよく言ったものだ。
『武力や軍隊などというものがあるから戦争が起きる』
『だから自衛隊など無くさなければならない』と。

つまり軍隊(自衛隊)や武器の存在が“戦争の原因”だと言っていたわけだ。

今さらこの掲示板にいる方々には言うまでもなく、これほどおかしな話はない。
世界中から武器がなくなり、軍隊組織が消滅したところで“戦争”はなくなりはしない。

なぜなら軍隊や武器は戦争の原因などではないからだ。
当たり前の話。軍隊という組織は、戦争を進めるためのあくまで手段に過ぎないのだ。

ニワトリが先か卵が先かの話ではない。
まず戦争には各々の政治的(そして時に非理性的)な理由がある。
そしてその戦争を効率的かつ有利に進めるべく軍隊という組織が成立し、洗練されてきただけだ。

では戦争の原因とは何か？
それはつまり民族・種族・国民国家…等々、それぞれ異なる人間集団の間で発生する対立や紛争が戦争の原因になる。

例えば中東において、イスラエル人とアラブ人とが度々戦争を起こしてきた。アラブ人からのイスラエルへのテロも止むことがない。
もちろん彼らから武器を奪い、双方の軍隊を無くしても戦争はなくなりはしない。
軍隊や武器は戦争の原因ではないからだ。

鉄砲や大砲が無くても、彼らは素手でも、家庭にあるナイフや包丁、ハンマーでも殺し合いをやるだろう。

イスラエルとアラブとの間にある宗教的価値観の違いや、それに由来する不信感、相互の生存権の主張を巡る衝突が無くならない限り、常に戦争の火種は絶えることはないのだ。

いいね！

>>民族・種族・国民国家…等々、それぞれ異なる人間集団の間で発生する対立や紛争が戦争の原因になる。


それは大昔の戦争の話で20世紀以降に起きた戦争第1次大戦も2次大戦も原因は別にある。あれだけの大きな戦争を起こすには相当な準備が必要。つまり、誰かがシナリオを作りそれに沿って各国の政府要人を操っていた人間がな。

《28》
以上のように述べれば、こういう意見も出るかもしれない。

『価値観や正義の違いから多数の国家が成立しているとする。
その各国の多様性が戦争の原因ならば、つまり国家の存在そのものが戦争の原因である。
国家が無くなれば戦争など起こらない』と。

こういう理屈で国家や国境の存在を罪悪視し、国家の解体を考える人々も少なくない。
そういう人々は世界が一つに統一された、国境のない世界を夢に見る。

しかしそれは現在を生きる我々に、今以上の幸福を約束するものだろうか？

そもそもなぜ世界は200もの多様な国々によって“分断”されているのか、その理由を考えなければならない。

価値観や正義の異なる国々が200近く存在することは、果たして悪いことなのか？
世界はさっさと一つの“世界国家”に統一されるべきなのか？

そういうことではない。

これらの国家の価値観や正義の多様性が、それぞれの民族や種族、国家の自由と、そこに暮らす個人の自由を保障しているのもまた事実なのだ。

多様性の許容とは、つまり地理も気候も環境も違う中で育まれた、それぞれの地域に暮らす人々にとって、最も“しっくりする”文化や伝統、それらに由来する価値観に応じた国作りが自由に出来るということでもあるのだ。

もし世界が“ちきゅう”という一つの国家に統合され、たった一つの価値観や正義を全人類に“強制”することになったなら、その自由はどうなってしまうのか。

アメリカ人の価値観や正義が、我々日本人に馴染むのか？
シナ人の正義はどうか？
アラブ人の価値観は？ロシア人の正義は？

それらのいずれか一つに世界が統合されたなら、それは我々日本人に限らず、世界中の誰にとっても決して愉快なものではないはずだ。

また、そのような“絶対的価値観”や“絶対的正義”を強制出来る“地球上の唯一絶対的政治権力”の誕生が、我々を今以上に自由で幸福にするかどうか、それを考えねばならないだろう。

現在の国際社会は、各国それぞれの内政における自由な法整備や統治形態を許容する。

各国の立法、司法、行政は、内政に関して、外国政府や外国人の意見を拝聴する必要はない。
いずれもそれぞれの国家と運命を共にする覚悟のある“国民”に全てを決める自由がある。

世界統一国家の成立は、すなわちその自由を奪うことに他ならないのだ。

それがユダヤ金融資本家ロスチャイルド家の最終目標である世界統一政府の樹立だ。

これを達成するために第1次世界大戦、第２次世界大戦が意図的に起こされた。

次に起きると言われている第３次世界大戦もこの一族の野望に他ならない。

世界統一政府だけは絶対に避けなければならない。

>>0

1つだけいいことを教えよう。
この世界統一政府をもくろむ金融資本家（欧州貴族）のトップであるロスチャイルド家と日本の天皇家はグルだ。君の夢や願望を打ち崩すようで悪いけど本当のことは言わないと言けない。

結局世界も日本も支配者は裏ではグルだってこと。そしていつの時代も犠牲になるのは一般庶民だ。

君が本気でユダヤの世界統一政府を止めたいと思ってるのならまず天皇制を廃止することだ。あれがイギリスのスパイである限り日本が世界大戦レベルの戦争でかつ可能性はないし、イギリスに再びうまいこと利用されるだけだろう。

《28》
しかし例外はある。
少し話がそれるが、第一次世界大戦について話ししよう。

第一次世界大戦は人類史上最大の大戦争になったわけだが、その拡大原因には“政治的な理由”がなく、謎の多い戦争とされてきた。

教科書的には3B政策と3C政策との対立などと説明するが、実は植民地の争奪を理由として列強同士が大戦争を起こすことなどないのだ。

そもそも植民地の拡大において、イギリスもフランスも、そしてロシアやアメリカなどの領土拡大もそうだが、いずれも人口が少なく、かつ“くに”としつの組織度の低い地方…つまり抵抗の弱いエリアに支配圏を伸ばしていったに過ぎない。

つまり各々の支配圏の拡大が列強同士で衝突した時点で“小さな戦争”が起こり、それで植民地の拡大は停止する。
また、例えば東方に向かって伸びていったロシアの場合、現地住民の強力かつ組織的抵抗(近代化した我が国による)を受けた時点で、テリトリーの拡大は停止している。

つまり植民地支配を巡って欧州列強同士が大戦争をやるなど、コストがわりにあわず、誰も望みはしないのだ。

ではなぜドイツはいきなりフランスに攻めこむ形で、結果的にヨーロッパ全土を巻き込む大戦争を始めてしまったのか？

それについては第二次世界大戦後、ドイツの様々な公的な文書が公開され、その原因が明らかにされている。

それが既に述べたこと…ドイツ流の事前作戦計画主義と、動員奇襲・短期決戦主義に答えを求めることが出来るのだ。

《30》
(※先程のレスの番号を付け間違えた)
第一次世界大戦の開戦経過を簡単に見てみよう。

1914年6月28日、オーストリア皇太子がセルビア人(黒手組)によって暗殺される(サラエボ事件)。

これを受けてオーストリアは懲罰としての対セルビア戦争を計画し、同年7月23日に最後通牒をセルビアへ送り、同25日にはセルビアに国交断絶を通知する。

この経過の中、セルビアと友好関係にあったロシアは、オーストリアの態度…サラエボ事件から最後通牒までに４週間もの間があったことから、オーストリアの意図を疑った。

この間、オーストリアは同盟国であるドイツなどとの調整を行っていたわけだが、つまりロシアとしてはオーストリアには皇太子暗殺に対する懲罰以上の意図があるのではないか…と危ぶんだわけだ。

ロシアはオーストリアの対セルビア国交断絶を受け、総動員で応えた。
ドイツ皇帝はロシア皇帝に総動員解除を求めたが、それは拒否された。
(ロシア皇帝『動員された兵員は鉄道で動き始めている。鉄道ダイヤを逆向きにすることなど出来ない』)

それを受けて、ドイツはどうしたか。
ベルギーへの無害通行権を要求し、最後通牒後(期限は12時間)ベルギーに飛び込み、フランスに侵攻したのだ。

こうして本来ならオーストリアとセルビアの間で完結すべきはずだった小さな戦争は、一気にヨーロッパ全土を巻き込む大戦争にエスカレートしてしまったのだ。

ここで疑問に感じるのは、やはりドイツの動きだろう。
つまり東方…ロシアではなく、まずフランスに向かった原因は何かということだ。

《31》
それを考えるために、第一次世界大戦前のドイツを取り巻く状況を概観しよう。

ドイツが大モルトケ以来、本来別々であった戦争計画(動員⇒集中⇒開進)と、攻勢作戦計画を連続させたことは既に述べた。

そして当時のドイツは東西にロシアとフランスというライバルを抱えていた。
しかも1894年以来、この仏露は同盟関係にあり、ドイツは二正面作戦を覚悟しなければならなかったわけだ。

この状況で、ドイツは露仏同盟に対抗するべく、新たな事前作戦計画…仏露二正面作戦を作り上げた。
いわゆるシェリーフェン・プランだ。
これは公開されており、もちろん誰でも参照可能だ。

シェリーフェン・プランとはすなわち、仏露いずれの国で動員下令がされた場合でも、まずドイツ軍は西部国境を突破し、49日以内にフランスを屈服させる。
その後、返す刀で東部戦線でロシア軍と対峙するというものだ。

このシェリーフェン・プランのキモは２つある。
一つは、もしロシアが動員下令しても、ドイツ軍はまずベルギー(フランス)に飛び込むこと。
もう一つは“49日でフランスを屈服させる”ということだ。

なぜこのような作戦計画としたかといえば、仏露両国の動員速度の違いを考慮したためだ。

つまりフランスはロシアに比べて動員と集中に必要な鉄道網の整備が進んでいる。
対してロシアはその鉄道網の未発達と国土の広さゆえに、動員が完了するのに最速でも49日はかかると見積ったわけだ。

ロシアが動員を完了する前に、フランスを倒さなければ、ドイツはぐずぐすしているうちに東西両面から仏露両国から挟撃されてしまうのだ。

当時のドイツには対露仏同盟に対する作戦計画はこのシェリーフェン・プラン一つしかなかった。

つまりこの事前作戦計画が“ロシア総動員”というシグナルによって発動され、結果的にヨーロッパ全土を巻き込む大戦争を惹き起こすに至ってしまったのだ。

つまり第一次世界大戦は、事前作戦計画…シェリーフェン・プランの暴走が原因となって大戦争へとエスカレートしたのだ。

このような政治的理由以外の原因で大戦争が始まってしまうことが過去にはあった。
それは理解しておくべきだろう。

【注意このスレッドを読まれている方へ】

毎度ご愛顧いただきありがとうございます。
皆様にご注意いただきたいことがございます。

私の文章は、一部の《閑話休題》を除き、《1》〜《31》という形で番号を打っており、また全て［詠み人知らず］の署名をしております。
［匿名］の書き込みについては私の関知するところではございません。

このスレッドにも変な人が湧いております。
世界中の戦争や悪事は全てロックフェラーだか、ロスチャイルドやらの資本家が企んでいるとし、彼らに全ての責任をおっかぶせて、“全て分かったつもり”の書き込みがされています。

ガーター勲章を受勲しただけで、天皇陛下をイギリスのスパイと決めつけるなど、知性を疑う書き込みが見られるほか、海軍の米内が日本に米軍を駐留させるべく、我が国を対米戦争を誘導した張本人だという、意味不明の書き込みもしています。

言うまでもなく、開戦前の米内は対米開戦に反対の意見表明をしているわけですが(やっても勝てないから止めておくべきだ、と)、そんな事実さえ彼は知りもしないのです。

また、私の文章の一部だけを都合よく切り取り、それに便乗して自らのバカげた陰謀説を補強したつもりでいるようです。

私の文章をある程度読まれている方なら、彼の書き込みと私の書き込みとが全く一致せず、無関係であることは御理解いただけると存じます。

彼は個々の戦争や個々の事案について、その原因や理由、背景を考えることを諦めてしまっています。
考えてもわからなかったのでしょう。

その代わりに彼は、世界は一握りの怪しい連中に牛耳られていて、そのショッカーのような悪の組織が、世界で勝手気儘に戦争をやったり、金儲けをしているという、お手軽でシンプルな結論に飛びついてしまったようです。

発想が短絡的で幼稚なのです。

また今や世界中で顧みられなくなった、そしてヒトラーの反ユダヤ主義の理論的(笑)背景にもなったレーニンの帝国主義論から一歩も前に出ることが出来ないようです。
しかも彼は帝国主義論など読んだことさえなさそうです。

このように物事を深く掘り下げて考える努力を放棄した人間と、私の意見が重なることはありません。

以上をご確認いただきますよう、老婆心ながらお願いいたします。

>>64

イギリスのスパイというか正確を期すなら裕仁はイギリスのフリーメーソンのスパイであり陸軍のスパイな。単純じゃないんだよイギリスもね。
何度も言うけど、君が陰謀論だと決めつけてるところにヒントはあるんだよ。
そこをまったく知らないのか何かは知らんが無視するからまったく説得力がなくなる。

長々と見苦しい、教科書に書かれてあるレベルのことを書かれてもこちらとしては知ってますで終わりだ。

俺が言いたいのは国際政治とはそんな表に出てくるようなことではなくすべてに裏があるということ。君が考えてる以上に政治というのは嘘だらけということ。そして１枚岩のように単純ではないということだ。

米内がリップサービスで当初対米戦争に反対したとしても結局対米戦争は海軍主導で起こされてるわけで、海軍の高官であった米内がかかわってないと考える方がおかしいだろ？

それに、ガーター勲章が何を意味するかさえあなたは分かっていらっしゃらない。私は別にけんかをしに来たわけではなく、あなたに真実を伝えに来ただけ。これが分かってないから、歴史の真実にたどり着けないんだよ。

《閑話休題》
>>65
こちらは“教科書に書いていないこと”を書いている。
ちょうどよいタイミングだ。
これまで書いたことを整理しておさらいしよう。

小学校から大学までに使われる教科書にこんなことが書かれているか考えろ。

①侵略とは計画的先制攻撃を実行することで、その戦域がどちらの領域かは勘案しない。

②日中戦争はシナによる侵略が発端だ。

③対米英開戦が騙し討ちといわれたのは開戦通知が間に合わなかったからではない。
ケロッグ・ブリアン条約を批准したまま、先制攻撃したためだ。

④第一次世界大戦は3B政策や3C政策の衝突が原因で大戦争になったのではない。
シェリーフェン・プランという事前作戦計画の暴走が原因だ。

…お前はこれらを知っていたわけがない。
知っていれば、第一次世界大戦について>>57のようなことは書かないからだ。

さらに①〜④について日本の教科書で教えられているとさえ勘違いしている。
全くお話しにならない。

日本の教育は戦争についての解釈や説明はからっきしダメだ。
しかしだからと言って、教科書に書かれていないことが全て“歴史の真実”ということにもならない。
つまり逆の意味でお前の戦争についての見方も狂っているのだ。

さらにお前はこう書いた。
『米内は、戦後に米軍を我が国に駐留させるべく、対米開戦に誘導した張本人だ』とな。
これは間違いだ。

米内は海軍の中では珍しく、開戦前に対米開戦反対を唱えていた。
彼の問題はシナ大陸の戦争についての発言だ。
そして結果的に、近衛が「蒋介石を相手にせず」の発言する下地を作ってしまったことだ。
ある意味、米内の発言が日中戦争を長期化させる一因になったということだ。

いいか？お前のように何も勉強せず、子供じみた陰謀説の本ばかり喜んで読むような輩に“歴史の真実”についてあれこれ言われる筋合いはないのだ。

まず中学校や高校の教科書を復習しろ。
そのベースがないから、お前は教科書に何が書かれているかもわからないのだ。

…今後は一切、こういう反論は書かない。
話しの方向性がぶれるからだ。
お前が俺に意見するには百年早い。

>>66

では、反論しますね。
あなたが間違っている点は自分に都合のいいところだけ国際法だとか条約を持ち出してきてる点だ。


だったら、長崎広島への原爆投下や民間人への無条件虐殺である東京大空襲は国際法違反ではないのかね？
これらは完全な国際法違反だ。勝てば官軍（アメリカ）だから国際法は関係ないのか？君の言い分だと英米やった犯罪は国際法違反にはならないということかね？

ついでに言えば、戦後この日本人大虐殺である東京大空襲を指揮した米空軍大将カーチス・イー・ルメイに天皇は勲章まで差し上げてるんだよ？これはどう説明する？こんな男に天皇は勲章をあげてるんだよ？

結局あなたが、言ってることは支配者側の理論。国際法にせよ条約にせよ、こんなもん欧米の支配者側の都合のいい理論で、実際都合よく解釈されているだけ。それにまんまと引っかかってるのがあんた。

ハルノートだって同じ、こんなもん、茶番よ。最初から日米のトップで談合してたのよ。当たり前だろ、あんな文書で怒って奇襲とかそれこそ幼稚園児レベルじゃないか。米内は、それを分かったうえで対米戦争に反対のふりをしてただけなんだよ。陸軍に対する威嚇のためにね。
こんなもんに騙されてはいけない。
いいかい、当時の状況を目の前で見たり聞いたりしてないおれたちができることは結果で判断することだ。当時の証言とか言うものはあてにならない。いくらでも後の別の人間が偽造できるんだからね。

《閑話休題》
>>67
あのな、これらについてはずっと後で書くことだ。
こちらはまず一般論を書いていきたいのに、各論ばかり求めやがって。
俺のスレの邪魔ばかりしてウザ過ぎる。

いいか？話にゃ順番ってものがある。
スレタイにも明示しただろう。
俺のペースで書いているのだ。
今は開戦の段階の話しだ。そんなことも分からないのか？
日本語が不自由なのか？

仕方ない。もう一度だけ付き合ってやる。
三度目はない。

米国の原爆投下や東京空襲が国際法違反かどうかとな。
もちろん国際法違反だ。
それで何か問題があるか？

しかし話はそう単純ではない。
先に民間人への無差別爆撃をやったのは米国ではない。我が国だ。

1940年の5月〜9月、1941年5月〜8月の重慶爆撃がそれだ。
後半は完全な無差別絨毯爆撃だ。
当時、事前に米国などから無差別爆撃をしないよう忠告を受けていたにもかかわらず、それをあえてやったのだ。

先に民間人への無差別爆撃を解禁してしまった以上、後になって同じように仕返しされたからと言って泣き言を言ったり、国際法廷に訴えたところで受け入れられやしない。当然の話だ。

原爆投下にしてもそうだ。
当時はもちろん『核兵器禁止条約』などなければ『核兵器先制不使用』の考えもないのだ。
これらを遡って当時の米国に適応しようというのか？
それこそ野蛮な“事後法”による裁判だ。

このような攻撃にさらされた時、我が国…先に無差別爆撃を始めた側…がやるべきことは、国際法廷に訴えることではない。
米国が核による戦略爆撃を行ったなら、相手に同質の損害を与える手段を開発し、同様な手段で米国にやりかえすしかないのだ。

だから俺は米国による原爆投下や日本各地における無差別爆撃を批判することについては自制する。
今後、本文を書いていった時もだ。

我が国が小国なら違う。
アメリカが悪い、イギリスがずるいと泣いていればよいのだ。

しかし我が国は当時から五大国だ。
しかもアメリカに先に喧嘩を売ったaggressorなのだ。
そこのところを間違えるな。

《閑話休題》
>>67
それで、俺が書いてきたことは、教科書とやらに書いてあったか？
そんなもんあるわけがないんだよ。

もうお前のバカげた話などたくさんだ。
言いたいことがあるならお前のスレを立てなよ。
オカルト板かどこかでな。
そこでくだらんオカルトチックな話をやってるのがお前にゃ相応しいよ。

【注意】
かねてからスレタイ及び>>1にて“日本語”でお願いしていることを理解出来ない方がいらっしゃいます。

再度確認させていただきますが、こちらは私、スレ主こと《詠み人知らずの備忘録》です。

皆様方のご意見を拝聴したり、議論・反論をするスレではありません。

よって今後、話の途中で質問や反論をされましても、私はそれに御返答することがなくてもご容赦下さい。

何らかの議論がしたい方、御自身の意見を述べたい方は別の方法をおとり下さい。

①適切な別スレをお探しいただき、そちらにてレスをしていただく。
②新たに御自身のスレを立てていただく。

既に述べましたとおり、戦争について語るとき、到底1レスで語りきれるものではありません。

私は私のペースで、順を追ってお話ししていくと繰り返し申し上げております。

話の途中でこちらのペースを乱す質問をされ、それにいちいちお答えしたり、反論していては、いつまでもこちらの言いたいことにたどり着けません。

私は自分の主張を、一冊の本を書くように話を進め、そのためにスレを立てた、と冒頭で述べたつもりです。

著書を執筆中に
『あの話をなぜ書かない』
『この場合はどうだ、あの場合はどうだ』
…等々と言われても、それをいちいちその都度書き留める著者などいないのです。

繰り返しますが、話の腰を折るような質問は全て無視させていただきます。
以上、よろしくお願いいたします。

>>68

お前さんも自分勝手な人だね。以前私が建てたスレで人を罵倒したくせに自分が言われたらその態度かよ。

都合の悪い質問をスルーするのはおめーさんの悪い癖だ。
>>、戦後この日本人大虐殺である東京大空襲を指揮した米空軍大将カーチス・イー・ルメイに天皇は勲章まで差し上げてるんだよ？これはどう説明する？こんな男に天皇は勲章をあげてるんだよ？

まずこれに答えなさい。
そして、「私は親米ぽちの似非保守です」と認めろ。
そうすればもう2度とこねーからさ。

《閑話休題》
話がズレまくったついでだ。
誰宛でもないが、賢明な方々のために“陰謀説”について簡単に考察する。

古来から怪しげな陰謀説というのがあり、それに一定の支持者がいるのは遺憾だ。

我が国では真珠湾奇襲をF・D・ルーズベルトが、事前に知っていたのに、あえてそれを公表せず日本に攻撃させた…というのがある。

また同様にドイツ人の中にもバルバロッサ作戦を擁護している連中がいる。

彼らは言う。
『スターリンが先に侵略の準備を始めており、ヒトラーがやったのはそれに対する反撃に過ぎない』
しかしこの連中の主張を証明する資料など一つもないのだ。

しかし彼らの論拠にはこんなものもある。
『スターリンはドイツの奇襲を知っていたのに、あえて先に攻撃させたのだ。
ドイツがaggressorにされたのはスターリンの陰謀だ』と。

これについては資料がある。
開戦前にスターリンはドイツによる奇襲開戦の情報を84件(！)も得ていたのは事実なのだ。

つまりスターリンは相当数の情報を得ていたのに、あえて放置したということになる。
これに一部のドイツ人が陰謀を見たというわけだ。

これについてアルバート・ウォルステッター(反ソ・ユダヤ系米国人)が、ルーズベルトやスターリンの、この“一見ありそうもない判断”を論証している。

それがいわゆるウォルステッター・モデルといわれるものだ。

これは、一般に複数の情報ソースによった場合、ノイズの介在を防ぐことは不可能であり、情報とはその量が多くなるほど判断材料としての“質”が低下してしまうということだ。

要するに近代国家では情報が指導者…首相でも大統領でもよい…に上げられる際に、必ず事前に専門家のチェックが入る。

さらに多数の専門家の間で情報共有されるために、矛盾した意見が出てきた場合、実は真実を示している情報であっても、その“質”は劣ると判断されがちなのだ。

この意味で、ルーズベルトにせよ、スターリンの話にしても、多数のソースから多数の情報を得たがために、この“ウォルステッターの罠”に落ちたと考えられるのだ。

多数の情報が上がったにもかかわらず、彼らが何もしなかったことをもって『陰謀だ』と決めつけることなど出来ない。
そういうことも理解しておくべきだろう。

《閑話休題》
>>71
その態度も糞もない。
お前の質問に答えたぜ。

なぜ東京大空襲や原爆投下について国際法に訴えられないかをな。
それでお前は中学校と高校の教科書は読みなおしたか？
俺の書いてきたことは教科書に書かれていたのかよ？

それには何も答えず言いっぱなしか。
怠け者な上にいちいち鬱陶しいヤツだ。

ルメイの話もしろってか。
じゃあしてやるよ。

ルメイに旭日大綬章をやった話な。
もちろん日本人なら多数の民間人を殺傷したヤツに勲章をやることに抵抗感はあるだろうよ。

しかし我が国が始めた戦争で侵略者は我が国なんだぜ。
そして民間人爆撃は日本も先にやってんだよ。

戦争じゃお互いに祖国の為に死力を尽くす。
それが終われば“昨日の敵は今日の友”だ。

戦後、ルメイは我が国の航空自衛隊の設立に大きな貢献をした。
奴の階級は大将だったから、過去の実例からバランスは取れてんだ。

そして忘れちゃいかん。
この主の勲章は、全て天皇陛下から畏れ多くも“親綬”されるものだが、陛下はそれを拒否されているのだ。

たしか当時の航空幕僚長だか、とにかく防衛庁長官でもない、一自衛官がくれてやったのよ。

陛下は心中じゃルメイにゃ複雑な感情をお持ちだったのは間違いねえよ。

以上だ。

これを読んだら二度と来るな。
失せろ。この無教養の陰謀キチガイが。

>>71
お前は卑怯だよ。もしかして、大和だの出雲だの２０００年近く前の
話を今頃してるおかしい奴と同一人物か？

名乗りもせず、人のスレで勝手な持論を展開し、スレ主が相手をしなければ
ネチネチと悪口を言う。

論破されたらごまかして違う話を持ってくる。

そんな卑怯者だから誰にも相手すれずに自分のスレ潰したんだろうが。

《閑話休題》
>>74
尹氏、体調が十分でないのに申し訳ない…。
しかし大丈夫です。
あとはこちらのペースで書いていきますよ。

また元気になったら、尹氏のスレも再開させて下さい。
待っている人は自分以外にもいますよ。

《閑話休題》
物の道理を理解出来ないキチガイにからまれて話の筋立てが滅茶苦茶にされちまった。
まだイライラすっから、軽くストレス発散させてもらう。

やつは俺が以前にヤツの立てたスレで暴言を吐いたとか何とか抜かしやがった。

そのスレってのは想像するに

①人工地震のスレ…ハープが米国の地震兵器で、東日本大震災もこれによる人工地震。第二次世界大戦中にもそれを使ったとかいう妄想全開のスレ。
『ロシアの地下にはプレートがない』と爆弾発言し、中学生レベルの地学の常識さえないことを堂々と暴露。

②ユダヤが北海道と東北を占領し、ロシアを攻撃するとかいう、地理も地政学も無視し、兵站さえも全く考えないバカげたスレ。

③スレタイは忘れたが、ユダヤが小泉首相や竹中経産相に“何兆円”もの裏金(笑)を渡したとかいうバカ丸出しのスレ。
日本の年間防衛予算かよ(笑)
小泉や竹中は世界の大富豪か(笑)

④出雲族がどうとか大和族がどうとかいうスレ。
政府がそれを隠していると言っているが、中学校の歴史で銅鐸文化圏と銅鉾文化圏の話は誰でも習うこと。
神社にも出雲のオオクニヌシ系とアマテラス系があることくらい常識だが、それさえ知らない無教養スレ。

…こんなもんかね。他にもありそうだがな。
こんな風に高校生でも間違いを指摘できちまうレベルの話をしてりゃあ、バカにされるのは当たり前の話よ。

このレベルのガキに“歴史の真実”かどーたらこーたらと語られた日にゃたまったもんじゃねえよ。

俺はただ“暴言”を吐いたりしちゃいない。
筋道立てて説明し、ヤツの発言に反論している。
それでも愚にもつかない寝言を反復しやがるから、嘲笑ってやっただけのことよ。

しかし今回の一件で、バカにつける薬はないと再確認出来た。キチガイは完無視でいく。

これ以降はスレを正常に戻す。
午後はこのスレは休業だ。
明日以降に復旧させるつもりだ。

【お詫び】
全国(おそらく)4〜5名の奇特なる少数の方々へ
お見苦しい所をお見せして申し訳ありませんでした。
「反論はしない」と宣言しておきながら、陰謀バカに引きずられてしまいました。

今後はスレ冒頭に述べました通り、反論を抑えて文章を綴ってまいります。
今後とも宜しくお願いいたします。

《32》
戦争の話しをすれば、自ずと“国家とは何ぞや”という問いにぶつかる。

戦争の原因は、異なる地理的環境で形成された各民族集団・国民国家等々の人間集団の価値観や、背負ってきた歴史的な背景の違いが前提にあると述べた。

価値観が違えば、何をもって正義とするかが違ってくるし、宗教観も異なるのだ。

例えば仏教だってそうだ。
世界中に仏教国は多数ある。
しかし日本の仏教は東南アジアの敬虔な仏教徒から見ればデタラメだ。

坊主が妻帯し、息子を寺の跡取りに据えるなど、あちらでは普通あり得ない。
セックスし、肉を食い、酒を飲むのは“戒律”に触れるのだ。

日本人の仏教理解のデタラメさを示す例に上げられるのが“ビルマの竪琴”だ。
坊主が楽器を持ち、音楽を奏でることなどあるわけがない。
音楽とは快楽であり、戒律で禁じられるからだ。

日本人は宗教上の戒律や、教義について曖昧にしてしまう。
正月に神社に行き、クリスマスを祝い、死ねば寺の墓地に葬られる。

なぜこんなことをして平気かといえば、日本人にとってはキリスト教の神も、仏教の仏も、全て神道の“八百万の神”の一部になってしまうからだ。

芥川龍之介の作品『神々の微笑』にも書かれているが、キリスト教も仏教も、日本人はいつの間にか自分たちに“しっくり”くる形に勝手に変容させてしまうのだ。

それを悪いことだと言っているのではない。
それが日本人には自然の姿であり、日本人にとって宗教とはそういうものなのだ。

これは日本人に限ったことではない。世界で同じようなことは起きているはずだ。

それぞれの民族、国家に“しっくり”くる仏教なり、キリスト教なり、イスラム教があるのだ。

かように宗教一つとっても、みな違う。だから異なる人間集団同士の相互理解は難しい。

異質な者を排除しようとしてしまうのは、善悪以前に人間の習性だ。
誰もが等しく理解しあえる国際社会などないのだ。

それぞれの社会に、それぞれの価値観や正邪の基準がある。
それが国家・国民、民族の“個性”というやつなのだろう。

そして日本が独立国であるかぎり、そこにおいて我々日本国民には、アメリカやシナ、ロシアやコリア等々の、他人の価値観を強制されない自由があるのだ。

国家の存在意義はそこにある。
我々の自由を守るために国家は存在するのだ。

《33》
かように国家や民族という人間集団は、その枠の中で自由に、その伝統的価値観に則った国作りが出来る。
外国人が干渉することは出来ないのだ。

しかし、これらの国民…個々の人間集団の伝統的価値観を軽視し、作為的・人工的な正義の教義…ドグマを無理矢理に強制した国が20世紀には存在した。
それが『社会・共産主義国家』だ。

全人類に共通する正義、価値観があるとし、国家や民族の個性や伝統を軽視した。
資本家と労働者という階級を殊更に強調し、世界中の労働者が団結して資本家階級を打ち倒すことを正義としたのだ。

そして世界中の数多の宗教を麻薬と断じ、さらに伝統的価値観を古臭い反革命的なものとして否定した。

“万国の労働者は団結せよ”と呼び掛け、その唯一絶対の価値観を世界中に当てはめようとしたのだ。

これらの国は結局わずか百年さえももたずに消えていったが、それは当然のことだ。

既に述べたように世界中の国々に暮らす国民は皆違う。

日本人労働者がどこの馬の骨が分からない、ロシア人労働者と連帯する意味などない。

かように全人類共通のインター・ナショナリズムなど成立しない。
そんな人間の本質や個性を無視した価値観を強制されて喜ぶ人間などいやしないのだ。

日本人は自分たちに最もしっくりくる社会を作ればよい。
他の国々の国民もしかりだ。

各国の国民が、自国民の話し合いで、自分たちが納得できる法律を作る。
外国人の干渉は排除し、自由な国を作れる。
国家の独立を守ることとは、つまりその自由を守ることなのだ。

サツマイモ

>>78
日本は日本人のためだけにあるのではありません。悪しからず。

>>80
外人だと思われます。

お久しぶりです。
軍事スレなのに奇妙な書き込みを致します。

欧米人は憲法や条約を衣服のように着こなしていて、国家間外交の際には都度カスタマイズやオーダーなどをしたりもします。古くなれば仕立て直したりもします。

に、対して日本人はというと
憲法を神棚にお供え思ってしまいます。お供え物をTPOに応じて変化させてしまうアイデンティティを日本人は持ち合わせていないのではと考えが至りました。
諸外国の目線から我が国を見たとき、過去における国家間条約を締結後、結果的に条約を踏みにじる様に見えてしまうのかなぁと。
詠み人知らずさんはどう思われるかと好奇心で書いてみました。

>>82
ミスりました、訂正。

欧米人は憲法や条約を衣服のように着こなしていて、国家間外交の際には都度カスタマイズやオーダーなどをしたりもします。古くなれば仕立て直したりもします。

に、対して日本人はというと
憲法を神棚にお供えして拝んでおり、
普段着ている衣服はというと
宗教を身に着けています。
日本人からみて欧米には神棚はありませんが
宗教を神棚にお供えしているように見えてしまいます。

真逆です。
国家間で起きるギャップを感じるときにこのような考えに至りました。
例えていえばお供え物をTPOに応じて変化させてしまうアイデンティティを日本人は持ち合わせていないのでは…と。
諸外国の目線から我が国を見たとき、過去における国家間条約を締結後、条約を結果として踏みにじる様に見えてしまうのかなぁと。

>>83
お久しぶりです。
しかしこのスレ、1年以上もほったらかしてしまいました。
引っ張りだしてくれて感謝します。

…で、訂正された御質問を読んだのですが、御質問の意図がイマイチ分かりにくい…かな？

我が国だけが関係する自国の憲法と、他国との付き合いのためのルールである条約とは違うわけで。

とりあえず一つは…
①我が国の憲法が他国と異なり、極めて改正が難しい。
しかしそれを別にしても多数の日本国民が憲法改正になかなか積極的にならないのはなぜなのか…？国際環境などが刻々と変化する中でそれに柔軟に対応するためにも憲法改正は必要なのに。

…こういう御質問という認識でよいでしょうか？

あともう一つが…こちらが本題だと思うんですが、ちょっと理解出来ませんでした。

“日本人は憲法を神棚に上げてしまい、それを金科玉条のように崇めて変えようとしない”…って意味のことが書かれているのは解ります。

しかしそれが、その後の文章…
「諸外国から我が国を見て、過去における国家間条約を締結後、条約を結果として踏みにじるように見えてしまう…」
…これにどう繋がるのかがちょっと解らないのですよ。

色々考えてみたのですが我が国が憲法を改正せず“解釈改憲”で凌いできたことが、諸外国からどう見えるか…これを条約と結びつけてお話しされているのかな？とは想像してみたのですが。

すいません。

>>83
勝手ながらご質問について、私なりの解釈でお話しさせてもらいます。

“子供会”さんの質問は、つまり…
「我が国は国際環境の変化や様々な技術的進歩に対応できる憲法改正を行うべきだと思われる。
しかし未だに国民の間には憲法改正に対する積極的な動きが乏しいようにみえる。

日本人は一度作ってしまった憲法を金科玉条にしてしまい、祝詞をあげているだけで平和と公正が実現すると考えてしまう傾向があるのだろうか。

しかしこの現行憲法が現在の様々な状況に、我が国が適切に対応する際の足枷になっているのは事実だ。
それに対して、これまでの歴代政府は憲法を改正せずに“解釈改憲”でごまかしながらやってきた。

このような法に対する我が国の態度は、いい意味では“柔軟”だが、ある意味では外国からみれば“法律軽視”と見なされてしまう危険性をはらんでいると思われる。

条約は締結されれば二国間および多国間の国際法としての機能が認められる。

それを踏まえて考えると、我が国の政府や国民による自国憲法に対する態度は、外国からみて
“日本人はその時の都合次第で法(条約も含む)の解釈も変えてしまう信用ならない人達である”
…こう思われているのではないか？」

…こんな感じでしょうか？

子供会さんもお仕事が忙しいのでしょう…私も半年近く書き込み出来ないこともありましたので。
とりあえず勝手に質問の内容を整理した上で、個人的な回答をさせていただきます。

本題は
「解釈改憲で誤魔化しながら、場当たり的に対応してきた日本人を、外国人はどう見ているか」
…ですが、触りとして日本人の民族的性格から、なぜ憲法改正が出来なかったのかを考えてみます。

まず日本人が改憲に抵抗があるのは根本的には“言霊”にとらわれているためだと思います。
もちろん先の大戦で沢山の犠牲を払ったことや、当時の政府や陸海軍の行政や戦争指導が滅茶苦茶だったことの反動ってのもありますが、それは置いておきます。

…で、その言霊の世界では“言葉を発する”ことは“それが実現する”と考えます。
例えば今はちょうど受験シーズンですが、受験生のいるお宅では、「落ちる」という言葉を発すると「縁起でもない」なんて言われたりしますよね。

憲法改正論議も同じようなものです。
日本人の大半からみて“平和”憲法の“平和”条項を改正してしまうと、何だか戦争が一気に現実になりそうで不安を感じるのかもしれません。

平和憲法を神棚にあげ、触らぬ神に祟りなし。「平和、平和」と“祝詞”をあげていれば平和になる…これが言霊に支配された日本人の無意識かつ自然な意識なんですね。

もちろん現代では、こんな(無意識の)思想では外国との外交闘争に勝ち残れるはずもありません。

しかしこの言霊的な日本人の意識を変えるのは、日本の政治家の言語操作能力の低さでは極めて難しい。

加えて政府が憲法改正と言い出せば、“言霊政党である野党”に「政府は戦争をしたいのか！」と騒がれる。
そして野党に同調した“言霊信仰の日本人やマスコミ”が、さらに大騒ぎにしてしまう…そういう空気が政権与党には容易に想像出来るのです。

だったら面倒な憲法改正などせずに、条文を柔軟に解釈して乗り切ろう…これが歴代政府の判断だったわけですよ。

しかし戦後70年以上、この憲法論議を放置してきたツケが限界に達しつつあります。
ここにきて憲法改正を“言挙げ”する首相が出てきましたが、どうなるでしょうね。

私は安倍総理の憲法に対する認識は全然支持できないのですが(私は改憲派ではなく、憲法廃憲派なので)、言霊の壁は厚いので前途多難かと思っています。
(続く)

>>85
詠み人知らずさん、
興味本位で書いた駄文をよくぞ読み取って頂き感謝です。

"意図"ですがありません(笑)
あるとすれば「詠み人知らずさんの引き出しが見たかった」ですかねー。
あとココの冒頭のルールに沿ってのカキコは迷いました。
尹さんの所へお邪魔しようかとも思ってましたし…。

>>87
仲良し子供会でした

雑談は、各雑談板でお願いします。

≪34≫
仲良し子供会さんへの返答が中途半端でした。
憲法のお話しでしたので、明治憲法ベースの改正案を改変再提示します。
安保部分のみですが、国際標準を外さない内容を心がけました。
「軍」「軍人」の表記は「自衛隊」「自衛官」と読み替えてかまいません。

【第1章 天皇】
A条
天皇は陸海空軍を統帥す 統帥権の行使は文民たる内閣総理大臣に一元的に委譲されるものとす

B条
天皇は国会に於いて合意された陸海空軍の編成及び常備兵額を承認し此を定む

C条
天皇は国会決議を受け戦を宣し和を講し及び諸般の条約を締結す

【第○章 国民権利義務】
D条
日本国民は国防に協力する義務を有すも兵役の義務は別途法律に定むることなく此を負わさるることなし

E条
本章に掲げたる条規は有事に於いて陸海空軍の統帥権及びそれに附随する有事法制の施行を妨ぐることなし

F条
本章に掲げたる条規は陸海空軍の法令又は紀律に抵触せざるものに限り軍人に準行す

【第○章 軍】
G条
1.天皇並びに日本国民は自国の安全と平和を守護しひいては国際平和に資する目的に於いて陸海空軍を常備す

2.陸海空軍は日本国民の志願者をもって此を編成す

【第○章 侵略戦争放棄】
3.天皇並びに日本国民は国際社会に於ける秩序の安定と平和を希求し 国際紛争を解決する手段として武力による威嚇及び国権の発動たる戦争はこれを放棄す

【第○章 集団安全保障】
H条
1.天皇並びに日本国民は集団安全保障条約の締結に於いて日本国家の安全の向上を至高の課題としもって国際平和並びに国際秩序の安定に資することを目的とす

2.天皇並びに日本国民は攻守同盟及び秘密条約についてこれを排除す

3.天皇並びに日本国民は集団安全保障条約締結国の自衛権の発動に於いても国会決議を経て参戦及びその関与の程度を決するものとす

≪35≫
条を修正し忘れました。
手直しの上、再提示します。
以降で各条ごとの趣旨及び意図をご説明しようと思います。

【第1章 天皇】
A条
天皇は陸海空軍を統帥す 統帥権の行使は文民たる内閣総理大臣に一元的に委譲されるものとす

B条
天皇は国会に於いて合意された陸海空軍の編成及び常備兵額を承認し此を定む

C条
天皇は国会決議を受け戦を宣し和を講し及び諸般の条約を締結す

【第○章 国民権利義務】
D条
日本国民は国防に協力する義務を有すも兵役の義務は別途法律に定むることなく此を負わさるることなし

E条
本章に掲げたる条規は有事に於いて陸海空軍の統帥権及びそれに附随する有事法制の施行を妨ぐることなし

F条
本章に掲げたる条規は陸海空軍の法令又は紀律に抵触せざるものに限り軍人に準行す

【第○章 軍】
G条
1.天皇並びに日本国民は自国の安全と平和を守護しひいては国際平和に資する目的に於いて陸海空軍を常備す

2.陸海空軍は日本国民の志願者をもって此を編成す

【第○章 侵略戦争放棄】
H条
天皇並びに日本国民は国際社会に於ける秩序の安定と平和を希求し 国際紛争を解決する手段として武力による威嚇及び国権の発動たる戦争はこれを放棄す

【第○章 集団安全保障】
I条
1.天皇並びに日本国民は集団安全保障条約の締結に於いて日本国家の安全の向上を至高の課題としもって国際平和並びに国際秩序の安定に資することを目的とす

2.天皇並びに日本国民は攻守同盟及び秘密条約についてこれを排除す

3.天皇並びに日本国民は集団安全保障条約締結国の自衛権の発動に於いても国会決議を経て参戦及びその関与の程度を決するものとす

≪36≫
既にお断りしたように上記改正案は明治憲法からの「改正」ですので、各々に対応する明治憲法の条文を示した上で、その問題を確認しながら話を進めようと思います。

【A条】
∇『天皇は陸海空軍を統帥す 統帥権の行使は文民たる内閣総理大臣に一元的に委譲されるものとす』

∇明治憲法第11条
「天皇は陸海軍を統帥す」
・・これは立憲君主制＋責任内閣制をとる以上、舌足らずなことは否めません。
自衛隊と名は変われども、当時も現在もこの手続き上の権限は変わりませんが、内閣総理大臣及び内閣の権限と責任を明記する必要がありました。
ただし“内閣総理大臣は文民”である旨は追記しました。

またあえて統帥の一元を強調したのは、昭和初期に陸海の統帥二元が孕む問題が表面化し、安保政策は本より外交政策までも混乱させたことへの反省を踏まえたものです。

【Ｂ条】
∇『天皇は国会に於いて合意された陸海空軍の編成及び常備兵額を承認し此を定む』

∇明治憲法第12条 「天皇は陸海軍の編成及び常備兵額を定む」
・・これも天皇大権ですが、手続きが実態を反映していません。予算化における国会の役割に触れておく必要があります。
その点を除けば現在の国家予算についても陛下の御名御璽で成立する建前ですから問題はないでしょう。

【C条】
∇『天皇は国会決議を受け戦を宣し和を講し及び諸般の条約を締結す』
現在でも条約締結には御名御璽が必要ですから、これも現状追認ということになります。
“国会決議を経る”という手続きを明確化しました。

“戦を宣し”で侵略戦争も可能と受け取られかねませんが、自衛権の発動も“戦を宣し”ですからね。
侵略戦争の放棄は別の条文で明記しフォローすることとしました。

≪訂正≫
先ほどC条の説明で、これに対応する明治憲法の条文を書き落としました。ご確認下さい。

∇明治憲法第13条「天皇は戦を宣し和を講し及び諸般の条約を締結す」

【D条】
∇『1.日本国民は国防に協力する義務を有すも兵役の義務は別途法律に定むることなく此を負わさるることなし』

∇明治憲法第20条
「日本臣民は法律の定むる所に従い兵役の義務を有す」
・・臣民の義務としての(選抜)徴兵制の記述です。
これは現代戦の実態を踏まえて外しました。
ただし、“別途法律で定められた場合”には徴兵制も否定しない旨を記しました。
もちろん法律の制定には国会決議が必要なのは言うまでもありません。

軍人(自衛官)の志願制については別の条でも追記しました。

【E条】
∇『本章(国民権利義務)に掲げたる条規は有事に於いて陸海空軍の統帥権及びそれに附随する有事法制の施行を妨ぐることなし』

∇明治憲法第31条
「本章(※第2章 臣民権利義務)に掲げたる条規は戦時又は国家事変の場合に於いて天皇大権の施行を妨ぐることなし」
・・有事の際の臣民の権利の制限についての条文です。
現在のマッカーサー憲法から全く抜け落ちている条項です。
あえて“天皇大権”は使いませんでした。
実質的な統帥権の掌握者は天皇ではないことを強調するのがその意図です。

【F条】
∇『本章(国民権利義務)に掲げたる条規は陸海空軍の法令又は紀律に抵触せざるものに限り軍人に準行す』

明治憲法第32条
「本章(※第2章 臣民権利義務)に掲げたる条規は陸海軍の法令又は紀律に抵触せざるものに限り軍人に準行す」
軍人には一般臣民とは違った権利の制限が生じるのはやむを得ないことです。
他の公務員同様に機密保持の義務がありますから、これはそのままとしました。

以上、基本的に天皇機関説や立憲君主制のあり方を前提に常識的な線を狙ってみました。
あとは軍隊(自衛隊)を令外の官から憲法上に明確に位置づけられた存在にすること、及び平和条項と集団的自衛権についてですね。

≪38≫
明治憲法からの条文の改正案は、以上計6ヶ条になります。更にこれにいくつか新しい条文を加えたわけです。

【G条】
∇『1.天皇並びに日本国民は自国の安全と平和を守護しひいては国際平和に資する目的に於いて陸海空軍を常備す』
∇『2.陸海空軍は日本国民の志願者をもって此を編成す』
・・以上の二項、つまり軍隊保持の目的等ですが、明治憲法に記載のないものです。

まず『1.』ですが、軍隊の存在目的はあくまでも自国の安全保障を大前提とし、平和・・つまり現在の国際社会が是とする国際秩序の安定に資することを示しました。

要は現在の秩序を破壊して“新秩序”を標榜することはしない、ということです。
交戦権にはあえて触れませんでした。これは本来的に各国が有する権利であるためです。

また自衛権の文言も省きましたが、以下で侵略戦争を放棄する旨を明記したので問題はないでしょう。

『2.』は志願兵制の原則の再提示です。

【H条】
∇『天皇並びに日本国民は国際社会に於ける秩序の安定と平和を希求し 国際紛争を解決する手段として武力による威嚇及び国権の発動たる戦争はこれを放棄す』
・・平和条項になります。章立てとしては“侵略戦争放棄”としました。
これは不戦条約〜国連憲章を踏まえたもので、多くの国々でも同様の文言で法整備しているのが現状です。

国連憲章では威嚇及び行使を“慎む”という表現でしたが、やや強めの表現にしました。
この辺は議論の余地があるかもしれません。

とりあえずここまで英国流に国家主権を天皇と国民とで分けあう表現にしてみました(英国には“憲法”と一纏めに呼べる単体の法律はありませんが)。
国際標準に照らして違和感のない、誰からも批判されない文言になっているはずです。

以下で最後の集団安全保障について説明します。

頑張ってね。売国😁

≪39≫
集団的自衛権については憲法に明記しない国も多いようですが、我が国ではあたかも悪いもののように言われ過ぎてきました。
国民への周知の意味で明記する意味はあると考えました。

表現が難しく、簡潔な条文にするのは困難ですが、憲法は細かい法律ではないので、余り具体的な内容に踏み込む必要はないと思われます、
最低限の原理原則のみをざっくりと提示することとしました。

【I条】
∇『1.天皇並びに日本国民は集団安全保障条約の締結に於いて日本国家の安全の向上を至高の課題としもって国際平和並びに国際秩序の安定に資することを目的とす』
・・これは安全保障条約の目的を示したものです。軍隊保持の目的や侵略戦争の放棄との間で整合性が取れていれは問題ないでしょう。

∇『2.天皇並びに日本国民は攻守同盟及び秘密条約についてこれを排除す』
・・攻守同盟の排除とは、同盟国が始めた戦争、つまり侵略戦争への参戦を事前に防ぐための条文です。
このような条約は結ばないことを明記しました。
また秘密条約の排除は、安保条約が戦争の抑止力として機能する為にも重要ですので同じくここに明記しました。

∇『3.天皇並びに日本国民は集団安全保障条約締結国の自衛権の発動に於いても国会決議を経て参戦及びその関与の程度を決するものとす』
・・これは自動参戦を防ぐための条文です。
つまり同盟国が他国からの侵略によって自衛権を発動した場合であっても、これに関与する際には国内手続きを公明正大にやることを明記した条文になります。

・・こんな感じになるでしょうか。
以下では、なぜ明治憲法を下敷きにしたのか、その理由など含めて書いていきます。