転倒で最後方も残り1周でごぼう抜き
[2021年8月2日13時55分]
女子1500メートル予選2組で1位でフィニッシュするハッサン(左から2人目)(ロイター)
女子1500メートル予選2組で1位でフィニッシュするハッサン(左から2人目)(ロイター)
女子1500メートル予選2組で転倒しながら1位となり、舌を出して苦笑いするハッサン(ロイター)
女子1500メートル予選2組で転倒したが、ごぼう抜きして1位となったハッサン(右端)(撮影・江口和貴)
女子1500メートル予選2組で転倒するハッサン(ロイター)
<東京オリンピック(五輪):陸上>◇2日◇女子1500メートル予選◇東京・国立競技場
卜部蘭(積水化学)の女子1500メートル予選2組で、1万メートルの前世界記録保持者シファン・ハッサン(28=オランダ)が、転倒しながら、最後方から残り1周で11人を一気にまくり、4分5秒17で同組1着となり予選突破する、驚きのシーンがあった。
まさに、ごぼう抜き。残り1周での転倒。突破は厳しく、波乱が起きるかと思われた。しかし、19年世界選手権1万メートルと1500メートルの2冠でもある実力者が、力の違いを示した。
レース後のミックスゾーンでは、関係者が報道陣を制し、ハッサンはノーコメントだった。
卜部も、一気に抜かれ、4分7秒90で自己ベストは更新したものの、9着だった。予選落ちとなった卜部は「持てる力を出して、準決勝にいい形で進みたかったが、悔しい」と涙した。ハッサンは卜部にとって、憧れの選手だ。「そういう方と勝負できるのはオリンピック独特。刺激をいただき、スタートラインに立ちました。接触したのが誰かは分からなかったが、ハッサン選手が後ろから来たなというのは分かりました」と振り返った。
そのハッサンは夜の女子5000メートル決勝で、今大会、1つ目の金メダルを手にした。
残る1500メートル、5000メートルでも金を目指し、驚異の3冠に挑戦する。
スーパースターは、まさに“転んでも、ただでは起きない”!?