今月15日、サッカーフィールドくらい巨大な小惑星が地球に最接近していたことをご存知だろうか?知らなくて当然。
この天体が発見されたのは、接近時刻のわずか21時間前だったのだから…。
先週14日、米アリゾナ大学の月惑星研究所(LPL)の小天体捜索チーム「カタリナ・スカイサーベイ」が発見したこの小惑星は、日本時間15日午後3時41分、地球から月までの距離の半分にあたる19万2317キロまで接近。
時速10万6497キロで宇宙空間を突き進み、約3時間後に地球を通過していった。
観測チームによると、「2018 GE3」と名づけられた小惑星は、直径が推定48〜110メートル。
2013年2月にロシア上空に落下したチェリャビンスク隕石(直径17m)の3〜6倍とはるかに大きく、1930年以来、最も地球に接近した小惑星のひとつだという。
米国ではほとんどの人が眠りについている時間帯(米東部時間午前2時41分)の出来事だったが、万が一地球の大気圏に突入していたら、衝撃波や進入角度、隕石落下などによって大惨事をまねいた恐れがあるという。
「2018 GE3」並みに大きな小惑星が地球に接近することは、年に1、2回程度あるが、天文学者が直前まで気づかなかったのは非常に珍しい。
米国立電波天文台(NRAO)の研究者マイケル・ブッシュ氏によると、小惑星の追跡には太陽の反射光が手がかりになるが、非常に小さいため、その光は暗く、望遠鏡でとらえられない場合も多い。
このため、各国の研究機関が協力して、複数の望遠鏡を使った観測網を展開しているのだが、今回は地球最接近の21時間前まで見つけることができなかったという。
【日時】2018年04月20日(金) 12:45
【提供】ハザードラボ