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...「現代仮名遣い」というものは、<語を現代語の音韻に従って書き表すことを原則>としますが、その中にも例外があって「言う」も「現代仮名遣い」第2の4項に、<動詞の「いう(言う)」は、「いう」と書く。>と規定されています。
...「言う」は、次のように5段活用します。
......言わ(ない)・言お(う) 〔未然〕
......言い(ます) ・言っ(た) 〔連用〕
......言う(こと)〔連体〕
......言え(ば) 〔仮定〕
......言え〔命令〕
...下記の本の筆者〔鳥飼浩二氏〕の観察による意見では、「言う」の活用形のうち、「ゆ」の音がはっきりと現れるのは、終止形と連体形の「言う」だけ。
「い」の音がはっきりと現れるのは、連用形「言い(ます) ・言っ(た)」、仮定形「言え(ば)」があるが、未然形「言わ(ない)・言お(う)」は、「い」と「ゆ」の間でゆれているように見える。----ということで、 「言う」は、語幹の安定している「ゆう〔結う〕」とはいささか事情を異にする。
...こうした事情もあり、発音上の不安定はやむをえないとしても、表記〔=かなづかい〕の上では安定させるべきだと考えられ、「言う」は現代仮名遣いでは「いう」と書くことになった
歴史的仮名遣いでは「いふ」だから、語幹の部分はそれに基づいて「い」と決めたということもできるだろう。
----------------------------------------------「問題な日本語」北原保雄編・㈱大修館書店より
「現代仮名遣い」(昭和61年7月1日内閣告示第1号)
前書き
1...この仮名遣いは、語を現代語の音韻に従って書き表すことを原則とし、一方、表記の慣習を尊重して一定の特例を設けるものである。・・・・・(以下省略)
第2...特定の語については、表記の慣習を尊重して、次のように書く。
....4...動詞の「いう(言う)」は、「いう」と書く。
......例...ものをいう...いうまでもない...昔々あつたという
...........とういうふうに...人というもの...こういうわけ