📖 創作･携帯小説

今朝は晴天。
けれど冬だから寒い。
娘のためにブランチを用意。
調理アプリを見ながらの手調理だ。
もやし、ハム、卵を炒める。
味付けはポン酢大さじ２杯。
インスタントのポタージュ粉に湯を注ぐ。
炊きたてホヤホヤのご飯を茶碗によそおう。
娘は「ありがと」と呟きテレビを見ながら頬張る。
ちょっとすまなさそうにご飯のおかわりを求める。
美味しそうに食べる娘をながめる。
何気ないいつもの光景に感謝して。

グッドモーニング？
グッドアフタヌーン‼️

雨のような　温かい愛情が降り注ぐ雨のような　休日のお昼前　妻に先立たれ男手一つで育てて来た娘も来年は高校受験だ　幸い娘は勉強が好きで希望する進路はいかようにも選べると担任の先生のお墨付きをいただいている　学歴の高かった妻に似ているのかも知れない　大変な苦労だった、育児と仕事の両立　ただ娘はそんな父親の奮闘を見てか素直に何の問題もなく真っ直ぐに育ってくれた「もう一息だな」彼はひとりごちた　しかし父親たる彼は娘の事を何も知らなかった
し理解していなかった　まさかその後あんな事態が待ち受けているとは

そんななんでもない朝のはずだった

昼の休憩から帰って来たところに電話が鳴った

「もしもし　ん？カツ丼としょうゆラーメン？何処にお掛けですか？間違えてますよ　はい？それとカレーライス？だから違うって」ガチャン

「おい！D衛門！」脇腹に衝撃を感じ頭部を電柱に叩きつけられた　いくら知り合いとは言え町角を歩くモノに対してずいぶんな挨拶だ「酷いなぁ！なんだよ！自愛庵」自愛庵は妹の邪淫子と共に地元でも有名な札付きの悪ガキだ　自愛庵はD衛門の鼻先に肘打ちを叩き込みながら「借せよ！」頭の悪い人間ほど言葉が足りない「何を貸すんだよ」「透明人間になる薬と透視メガネだよ！」ちっ！コイツもか！どうやら　この年代の男子は同じような事を考えるらしい　自愛庵はD衛門のポケットに無理矢理手を突っ込むと「早く出せよ！」と頭突きを入れて来た「薬はもう無いし　眼鏡は壊れてるんだよ」「嘘を言うな！早く出せ！」「嘘？ボクが？」D衛門は少し出力を上げて自愛庵の手に触れた　自愛庵はビクッと手を引いた　D衛門はロボットである　人間を八つ裂きにする事ぐらい造作も無い事なのである　自愛庵は盛大に舌打ちすると逃げるように去って行った　ああいう手合いほど自分より強いモノには弱く……「酷いな！自愛庵は！」　振り返るとスラリとした綺麗な足と半ズボンが見えた　Dick杉田だった　ディックは学業　スポーツ共にずば抜けて優秀で白人と東洋人混血特有の美しい顔立ちの少年だった　ディックはこの時代では珍しく能力の高さ　容姿の美しさ　性格の優しさから　あいのこに対する差別とは無縁だった　教師や保護者にもファンが多く　何事も出来過ぎる少年だったが　明るい性格で同性からも好かれていた　
「Dちゃん大丈夫？」ディックの後ろからS香が顔を出した
「あれ？今日は二人でお出掛け？」ディックに寄り添うように立ったS香にD衛門は尋ねた「うん　ちょっと……」頬を赤らめたS香はディックの差し出した手に小指を絡めた　見る見るうちにディックの小さな半ズボンの前が膨れ上がった
S香の言葉を次いでディックは「二人で勉強するんだ」と言った　ディックの異変に気づいたS香は咎めるような目で彼を見上げたが直ぐ呆けたような顔になった　その顔はN太や自愛庵の前では絶対見せない顔だった　なんの事はない二人は既に男女の関係になっているのだ
この少年はN太や自愛庵がいくら望んでも見る事すら叶わないモノを手に入れていた　

くだらんから
END一〇〇〇END

>>8
お前　覚えとけ！探しだして殺したる！

>>9
それはよしとけ