打ち上げから20年目を迎え、9月に引退する土星探査丘カッシーニ」は26日、土星の輪の内側に潜入を果たし、これまで誰も見たことがない最接近した土星の姿をとらえた。
米航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)が共同開発し、1997年に打ち上げられたカッシーニは、日本時間27日未明、最接近後の土星の姿をとらえた写真を送ってきた。
NASAによると、土星の大気圏の上層と輪の間の距離は約2000キロメートル。
輪には微小なチリやガスの粒子が時速12万4000キロというものすごい速さで回転していると考えられており、通過する際に探査機本体を傷めるおそれがある。
そのため、カッシーニは機体の損傷を防ぐために、直径4メートルの円盤型アンテナを盾にしてリングに突入し、見事、土星へのフゼスト・コンタクトを成功させた。
カッシーニから最初に送られてきた画像には、大気が巨大な渦を巻いているようすなど、人類が初めて目にする土星の真の姿が写っている。
20年前の打ち上げ後、7年間の旅を経て土星の軌道に到着してから、13年間の運用中に、二つの衛星を発見したほか、衛星エンケラドスに地下の海がある証拠を見つけるなどの成果を上げたカッシーニは、まもなく燃料が尽きて、今年9月15日に役目を終える。
大気圏に突入して燃え尽きるまで、これから週に1度のペースで輪の中に入り、最終的には22回の土星接近を行う予定のカッシーニの最後のミッションまで目が離せない。
【日時】2017年04月28日(金) 10:01
【提供】ハザードラボ