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■靖国神社とはどのような施設なのか
8月15日は終戦記念日として知られており、靖国神社への閣僚の参拝が話題となる日でもあります。

さて、この靖国神社ですが、いわゆる軍歌と呼ばれる歌謡曲のひとつである「同期の桜」にも登場しています。

戦場で別々に散華する同期が、春・靖国神社に咲く桜となって再開しようという趣旨の歌詞です。

こうした点から、靖国神社が公的な軍人の祭祀を執り行う施設であると誤解している人もいるようです。

また、近年の中国（中華人民共和国）や韓国においては、侵略戦争のシンボルのように扱うことで、日本を攻撃する口実となっています。

その際には、A級戦犯が合祀されている施設に閣僚が参拝することを非難します。

ところで、靖国神社に合祀されているのは第二次世界大戦当時の軍人だけではありません。

明治維新以降の国に殉じた人を合祀しています。

その際、身分などは関係ありませんが、敵方であった人は対象になっていません。

これについては、150周年を迎える2019年に合祀するかもしれないという話が昨年流れました。

いずれにしても、終戦により現在の靖国神社は国家とは関係のない一宗教施設です。

内閣総理大臣や閣僚が公式参拝するとしても、他に国家としての慰霊施設が存在しないことから許容されるべき範囲のものだと解することが可能です。

千鳥ヶ淵戦没者墓苑があるではないかとの指摘には、そもそも対象となっている人が少なすぎる点で無理があります。

具体的には、大戦時に海外で戦没した人の中で、慰霊手段が存在しない人に限られています。

■海外における戦没者慰霊施設
さて、仮に靖国神社が妥当ではないとした場合、別の慰霊施設を国立で設置することが可能でしょうか。

現在の国内情勢を考えると、いろいろな勢力の反発が予想され、簡単には実現しそうにありません。

結果的に、靖国神社にその役割を期待することになります。

ところで、海外では戦没した軍人に対する国の慰霊施設はどうなっているでしょうか？

一番有名なのは、アメリカのアーリントン国立墓地でしょうか。

ここには、アメリカ軍の戦死者の墓があります。

ただ、遺族が希望しない戦死者については墓として使用されません。

また、身元確認ができない戦死者のための「無名戦士の墓」などがあります。

日本において、アーリントン国立墓地を指して慰霊施設と呼ぶ場合は、ニュース映像などで有名なこちらの無名戦士の墓と、同じく国立墓地内にある「米海兵隊記念碑」のことである場合が多いようです。

周辺国に目を転じると、朝鮮半島の大韓民国には「国立ソウル顕忠院」があります。

ここには大韓民国成立以前の独立運動家とされる人や、朝鮮戦争、ベトナム戦争などに従軍して戦没した人たちが祀られています。

同様の施設に「大田国立墓地」があります。

また、中華人民共和国にも天安門広場に「人民英雄記念碑」という施設があります。

その他、世界各国に自国に殉じた軍人や国民を祀る施設が存在しており、これに異を唱えることが異常であることが分かります。