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■ただの夢ではない宇宙エレベーター
実際に宇宙エレベーターに乗って宇宙から地球を見るには高い料金を払える人にしか出来ないかとも思われます。

それでもそういう物が存在する事は世界中の人に知れ渡ります。

つまり誰でもちょっとお金があれば、地球が手玉のようにとまではいかずとも眼下に全体像が見渡せる訳です。

そう思うだけで地球を自分と一体の物として感じられるのです。

エレベーターと言ってもビルのエレベーター感覚では乗れませんが、ロケットなどよりも安全ですので一般人でも気軽に宇宙体験が出来るものと期待されています。

・技術的に山積みな課題
そこには難題も数多くあります。

構造物があまりにも巨大なため、ケーブルとエレベーターの強度の確保、メンテナンスの方法、隕石などの飛行物体との衝突回避など素人的にも想像がつくでしょう。

それでも取り組もうとするだけの価値があるのです。

■宇宙エレベーターを開発しようとする動機
・夢の実現
人類は天を指差してはあの向こうはどうなっているのかは知る由も無い、神のみぞ知る世界だと崇めて来たものです。

この壁を乗り越えているのは限られた宇宙飛行士だけなのですが、それが一般人の手の届く範ちゅうと成り得るのは大きな夢の実現と言えます。

・エレベーターのように宇宙に行ける
宇宙に行く度にロケットを打ち上げるのは当たり前ではありますがコストもかかっています。

そこで静止衛星と地上をワイヤーで結んでしまって軌条を作りエレベーターにしてしまおうと言う壮大なプランなのです。

これなら位置エネルギーと運動エネルギーのやり取りで効率的な移動が実現できるのではないかと模索されています。

・世界の一体感を生む
総延長は10万キロを超えると言う規模が規模だけに一国が単独で構築するのは困難とされています。

ハード的にもそうですが、それは国際的な法律の整備さえも求められる規模であるためにソフトの面でも共通の制約をまとめる必要もあります。

したがってハードルもそれだけ高くなるのですが、それだけに完成すれば世界の一体感に繋がり国際情勢への良い影響さえも期待されています。

残念ながら21世紀の世界を取り巻く国際情勢は不安だらけとなっていますので、今だからこそのプロジェクトとも言えるのです。

■宇宙エレベーターの波及効果
・新テクノロジーの開発
技術開発が間接的に他の分野に応用されるのは全てにおいて言えています。

一見、何の価値も無いようなノーベル賞ものの発見などにおいてもそこで開発された設備が社会で活躍していたりもしているのと同じようなものです。

・経済のテコ入れ
宇宙船の開発で関連部品の需要が高まったのと同様に関連産業への需要拡大にもなり経済の活性化にも繋がるとも見込まれているのです。

・宇宙への進出
ゆくゆくは他の天体への移住、資源の供給などと生活を支えるインフラとなる事まで視野には入れています。

これは言わば人類が発祥したアフリカの大地からあらゆる努力をしながら遠く離れた極寒の地まで生息範囲を広げているのと同じ自然な成り行きとも言えるでしょう。