旭市 海水浴場オープン断念
津波の被害を受けた旭市では、夏までに海岸の片づけができず、客の安全が確保できないとして、ことしの海水浴場のオープンを断念することになりました。
恒例の海岸でのイベントも中止が決まるなど、地元の経済に深刻な影響が出ています。
九十九里海岸の北部にある旭市には2つの海水浴場があり、毎年、夏にはあわせておよそ8万人が訪れています。
しかし、津波で海岸の砂浜には大量の波消しブロックが打ち上げられたままとなっています。
千葉県では、国の災害復旧事業で撤去する計画ですが、道路や港などと比べて緊急性が低いとされ、作業が始まるのは早くても8月末になる見通しです。
このため、旭市では、夏までに海岸の片づけができず、客の安全を確保できないとして、ことしの海水浴場のオープンを断念し、遊泳を禁止にすることになりました。近くの旅館のおかみ、大友龍さんは「通常なら7月から8月にかけての予約がこれから埋まっていくのに、海開きができないのは死活問題です。今後、どうなるか不安です」と話していました。
また、地元では夏の観光の売り物にしようと、6年前から海岸に砂の彫刻を展示するイベントを行ってきましたが、実行委員会では海水浴場が開かれないため、ことしのイベントを中止することにしました。
実行委員会の鏑木延克さんは「夏場の来場者も増えてきたただけにとても残念ですが、このままでは安全を確保できないので、来年の開催に向けて頑張っていきたい」と話していました。
NHK05月19日 21時44分