🐯 阪神タイガース総合

阪神は中日からＦＡ宣言した中田賢一投手（３１）と名古屋市内のホテルで初の入団交渉を行った。最大のライバルとなるソフトバンクの４年総額７億円と同等の大型契約と、背番号「１８」を提示。すでに劣勢な獲得レースだが、玉砕覚悟のアタックで大逆転を目指す。

日本三名城の一つ、名古屋城を見晴らせる市内のホテル。高級中華料理を振る舞い、中村勝広ＧＭ（６４）ら球団幹部が意中の右腕に初アタックした。交渉は約１時間半。同ＧＭは「来季は打倒巨人というのを通り越して、日本一になりたい。そのために力を貸してください、というところを伝えた」と中田賢に思いを伝えた。

ＦＡ右腕が「条件には、ほとんど違いがない。本当にいい評価をしていただいた」と明かしたように、金銭面はソフトバンクが１５日の交渉で提示した４年総額７億円と遜色ない。さらに先発での起用方針を伝え、２００９年ドラフト１位右腕の二神がつけていた背番号「１８」も用意した。

中田賢は福岡・北九州市出身。阪神の交渉前から地元球団のソフトバンクが優位とみられている。玉砕覚悟の争奪戦で出した諸条件には精いっぱいの誠意がにじんだが、５年前の悪夢が思い出される。

０８年オフ。横浜（現ＤｅＮＡ）からＦＡ宣言した三浦の獲得に動いた球団は、当時背番号「１８」だった杉山を「１７」に変更。０２年自由獲得枠で入団しながら結果を残せない右腕に奮起を促す狙いもあったが、わざわざ「１８」を用意しながら獲得に失敗した過去がある。

中村ＧＭは「最後、ナプキンをキチッとたたんで席を立った。きちょうめんなところがある。甲子園の大観衆の前で背番号１８をつけて、躍動する姿が夢に出てくるよう」と、早くもタテジマを着た姿を思い浮かべた。

苦戦は覚悟の上だが、最後まで熱意を伝え続ける。