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■薬と飲酒は根本的に異なるが
飲酒運転については厳罰化と撲滅運動のおかげで、かなりの減少率を見せていると体感できます。

一方で、相も変わらず飲酒運転をやめない悪質な飲酒運転者が浮かび上がることにもなっているようです。

ところで、薬を飲んで運転することに対して注意を払っているオヤジはどのくらいいるでしょうか。

仕事で車が欠かせない運送業や外回りの営業職では、体調が良くないときに薬を飲んでハンドルを握ることもあるでしょう。

今年6月に睡眠薬を服用して車を運転したところ、意識が朦朧とした状態となって警察の聴取を受けたお笑いタレントが書類送検される見込みとのニュースが流れました。

さすがに意識が朦朧とするようではいけませんが、どの程度ならダメでどの程度なら良いのかが気になるところです。

道路交通法には、65条の酒気帯び運転等の禁止に続いて66条で過労運転等の禁止という条文があります。

“「何人も、前条第1項に規定する場合のほか、過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない。」”
引用元：道路交通法

前条第1項とは、酒気帯び運転のことです。

過労、病気、薬物の影響とあるように、体調が悪いときはかなりのケースで該当する可能性があります。

もっとも、正常な運転ができないおそれがある状態というのがポイントです。

■アルコールのように一律的な禁止はできない
飲酒運転は「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」という話で片付くだけわかりやすいものです。

しかし、過労や病気、薬物などははっきりとした線引きができません。

疲れたから・風邪をひいたから正常な運転ができなくなるおそれがあると言い切れるものでもありません。

薬を飲んだ場合も同様です。

薬が運転に及ぼす影響の最大のものは、眠気を催す点です。

そのため、眠くなる成分が入っていないと宣伝する市販薬もあります。

さて、眠くなる薬といっても睡眠薬系のものだけではなく、他にも多数あります。

その中でも、精神科系の薬には眠くなる可能性が高いものが少なくありません。

これらの処方薬の場合は、医師や薬剤師の指導を受けて適切に使用しましょう。

また、多くの市販薬には、服薬後の運転を控えるか、運転には十分注意するようにとの注意書きがあります。

しかし、これは個人差があるため参考程度にしかならないでしょう。

もちろん、服薬後は運転しないようにすれば確実です。

しかし、そうできない事情もあります。

そこで、考えられる手としてはその薬を飲んだ場合に自分がどのような状態になるかを正確に把握しておくことです。

状態の幅も知っておく必要があります。

また、いま運転すれば悪影響が出そうだと思ったときは、予兆があったかどうかにも気を配っておきましょう。

この話は市販薬だけでなく処方薬でも同じことがいえます。

精神安定剤などは運転中に体調が悪くなるのを防ぐ目的で使用するオヤジもいるでしょう。

薬はリスクとベネフィットの兼ね合いといわれますが、精神の安定による安全運転よりも眠気による危険のほうが現実的だと思われる場合は、ハンドルを握ってはいけません。