宮崎県と鹿児島県にまたがる霧島連山の新燃岳では17日午前0時半ごろ、連続噴火が停止したもようだと気象庁が発表した。
これまでに噴火は観測されていないが、火山性地震は午後3時までに22回と活発な火山活動が続いている。
新燃岳では先週14日以降、噴火が連続して発生していたが、きょうは午前0時半以降、噴火が観測されておらず、山体の膨張を示す地殻変動も確認されていない。
九州南部では先週末からの雨で、山頂付近を雲が覆い、監視カメラでは噴煙のようすがはっきりわからないが、火山性地震は16日に324回観測され、きょうも午後3時までに22回発生。
地下の水蒸気やマグマの動きを示す火山性微動は、11日の噴火以降継続している。
また、新燃岳と同じ霧島火山群の中では最も若いえびの高原・硫黄山の南西3キロ付近では、今月6日以降、低周波地震が増加し、13日には午後4時から同10時にかけて一時的に急増したが、15日以降は観測されていないという。
気象庁によると、この付近は2011年の新燃岳の噴火でマグマを供給したと考えられているため、今後とも警戒が必要だ。
一方、鹿児島大学の井村隆介准教授によると新燃岳のふもとに位置する高原町では、高崎川や花堂川が火山灰を大量に含んでセメントのように灰色に濁っているのが観測されている。
霧島連山の中岳と御鉢の谷間の高千穂河原は、天照大神の命令を受けた邇邇芸命(ににぎのみこと)が降臨する際の道しるべとして、かつては霧島神宮があったとされる場所だが、現在は高千穂峰や中岳へ続く登山道が通っており、今回の噴火があった後でも訪れる人は少なくないという。
【日時】2017年10月17日(火) 16:46
【提供】ハザードラボ