名古屋・中署は16日、架空の設備工事をでっちあげバッテリー大手GSユアサ(京都市)から工事代金をだまし取ったとして、詐欺の疑いで、同社子会社の元社員永倉健次容疑者(36)=愛知県北名古屋市久地野=を逮捕した。
逮捕容疑では、GSユアサの営業担当に出向中だった2013年4月、設備工事4件を受注したように見せ掛け、子会社や下請け会社に対し、架空の建設会社に仕事を請け負わせるよう指示。実際には工事を行っていないのに、同6月、GSユアサから工事代金247万8千円を子会社などを通じて入金させて、だまし取ったとされる。
署によると、「間違いありません」と容疑を認めている。永倉容疑者は被害を目立たなくさせるため、大型の設備工事に架空工事を紛れ込ませて発注し、工事完了書も偽造したほか、架空の工事代金受け取りには知人の口座を利用していた。
下請け企業からのGSユアサへの問い合わせで被害が発覚し、同容疑者は昨年4月に懲戒解雇された。13〜15年に同様の手口で同社から計約1500万円をだまし取った疑いがあり、中署が裏付けを進めている。
(中日新聞)