強力打線に失策1の鉄壁守備陣 甲子園初V履正社の陰のMVPは
9/1(日) 9:26配信
日刊ゲンダイDIGITAL
【松坂、涌井、筒香を育てた 鬼の秘伝書】
今夏の甲子園は履正社(大阪)の春夏を通じて初の優勝で幕を閉じた。大会序盤、私は山梨学院の臨時コーチとして甲子園に滞在していた。履正社の1回戦・霞ケ浦(茨城)戦を見た。1試合の最多タイ記録となる5本塁打、先発全員の17安打11得点で、よく打つとは思ったが、霞ケ浦に12安打6得点された投手陣はいまひとつ。正直なところ、優勝は難しいと感じた。
結局6試合連続で2ケタ安打を記録。決勝で星稜(石川)奥川から逆転3ランを放った4番・井上を中心とした強力打線で相手をねじ伏せた格好だ。大会を通じてわずか1失策の守備陣も立派だったが、最大の勝因はその投手力だった。
エース左腕の清水から2年生の岩崎につなぐ必勝リレー。清水は5失点した1回戦は球が高かったものの、2回戦から低めに決まりだした。そして、大会を通じて背番号17の岩崎が機能した。
決勝は先発の清水が七回に同点とされ、なお2死一、二塁の場面で登板。このピンチを切り抜け、星稜に傾いた流れを断ち切ると、八、九回も無失点に抑え、胴上げ投手になった。準決勝の明石商(兵庫)戦では先発し、1失点で完投勝利。打線に隠れているが、陰のMVPは岩崎だと思う。
昨年、甲子園春夏連覇を達成した大阪桐蔭との差別化をはかり、チームを強化している。全部員が寮生活を送る大阪桐蔭は、最近は関東地区をはじめ、全国から有望選手をかき集め、各地の強豪校から悲鳴が出ている。一方の履正社はあえて寮を造らない。大阪、兵庫の選手が多く、ほとんどが自宅通い。学校からグラウンドが離れている環境もあり、練習時間を短くし、効率的にやっているようだ。大阪桐蔭の「管理」とは相反する「自立」を好む地元の有望な選手が履正社に集まるという。
9/1(日) 9:26配信
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【松坂、涌井、筒香を育てた 鬼の秘伝書】
今夏の甲子園は履正社(大阪)の春夏を通じて初の優勝で幕を閉じた。大会序盤、私は山梨学院の臨時コーチとして甲子園に滞在していた。履正社の1回戦・霞ケ浦(茨城)戦を見た。1試合の最多タイ記録となる5本塁打、先発全員の17安打11得点で、よく打つとは思ったが、霞ケ浦に12安打6得点された投手陣はいまひとつ。正直なところ、優勝は難しいと感じた。
結局6試合連続で2ケタ安打を記録。決勝で星稜(石川)奥川から逆転3ランを放った4番・井上を中心とした強力打線で相手をねじ伏せた格好だ。大会を通じてわずか1失策の守備陣も立派だったが、最大の勝因はその投手力だった。
エース左腕の清水から2年生の岩崎につなぐ必勝リレー。清水は5失点した1回戦は球が高かったものの、2回戦から低めに決まりだした。そして、大会を通じて背番号17の岩崎が機能した。
決勝は先発の清水が七回に同点とされ、なお2死一、二塁の場面で登板。このピンチを切り抜け、星稜に傾いた流れを断ち切ると、八、九回も無失点に抑え、胴上げ投手になった。準決勝の明石商(兵庫)戦では先発し、1失点で完投勝利。打線に隠れているが、陰のMVPは岩崎だと思う。
昨年、甲子園春夏連覇を達成した大阪桐蔭との差別化をはかり、チームを強化している。全部員が寮生活を送る大阪桐蔭は、最近は関東地区をはじめ、全国から有望選手をかき集め、各地の強豪校から悲鳴が出ている。一方の履正社はあえて寮を造らない。大阪、兵庫の選手が多く、ほとんどが自宅通い。学校からグラウンドが離れている環境もあり、練習時間を短くし、効率的にやっているようだ。大阪桐蔭の「管理」とは相反する「自立」を好む地元の有望な選手が履正社に集まるという。