📖 創作･携帯小説

有名なスイーツ店を右に曲がり、高級ホテルを左に曲がる。

そこには小さな、小さな森があった。

小さなけど、怪しげな森。

森の中に入って行くと、そこには見かけよりも綺麗な泉があった。

とても綺麗で、立ち止まっていた私は泉の方へ歩き出そうとした時、
「そこのお嬢さん。その泉は危険だよ。私の屋敷に御案内します。」

青い綺麗な髪、グレーの瞳。そして…執事のような服装。誰だろうか。

私はその人について行った。

森を抜けるとそこには、大きな屋敷が建っていた。

そう、ここは私が目指していた屋敷…

藍真家の屋敷だ。

「どうぞ、お入り下さい。」

執事らしき人に案内され、屋敷の大広間に入って行った。

「こちらの部屋で坊ちゃんがお待ちです。」

言われるがままにドアを開け、辺りを見渡したが人影は無かった。

「あの…誰もいませんけど…？」

「クスクス…いるだろ？…俺だよ」

「あなたが⁉︎」それはあの執事だった‼︎

執事は服を脱ぐと、きらきらと輝く服をまとっていた。

「あんた、俺の見合い相手だろ？」

「…？私はメイドとして呼ばれたんですが…？」

そう、つい3日前に一通の手紙が届いた。

その手紙には、こう綴られていた。

「佳汰様が直々にご指名し、あなた様を藍真家専属のメイドと致したい限りです。」

確かにメイドと記載されていた。

「俺がお前の写真を見て、見合い相手を決めたんだよ」

…なら尚更おかしい。私は一般庶民だし、これと言った実績もない。いわゆる平凡な生活を送っていた。

「なぜ？なぜ私を選んだの？」

「そんなの簡単だよ。一目惚れさ。」

この日を境に私の人生が変わっていった。