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東京都渋谷区のファミリーマートとＨ＆Ｍでネズミを撮影した動画が立て続けに出回るという騒動が、今夏に発生した。

Ｈ＆Ｍの件については、先日の記事で詳細を報じた。

記事を掲載後、ファミマの動画に関連して出回っている噂の真偽を調べてほしいとの依頼が、当サイトに寄せられた。

ファミマ店内で撮影された動画の一場面。

動画が撮影されたファミマ神南一丁目店は、問題発覚後、一時的に店舗を閉鎖することが公表された。

ホームページの説明によると、８月５日付で営業を休止し、原因の調査や保健所の指導に基づく対応が進められているという。

ネズミの駆除、防鼠工事、店内消毒等が、具体的な対策として挙げられている。

「店内撮影禁止」の警告情報提供者によると、渋谷周辺のファミマの各店舗で店内の撮影が禁じられているという。

店内での撮影禁止と記されたステッカーが入口付近に貼られており、防犯カメラで常に監視しているという警告表示もあるとのこと。

これは、「別の店舗でもネズミの動画を撮影されないための対策なのではないか」との噂が一部に出回っているという。

当サイトでは現地を訪れ、実態を確認した。

最初に向かったのは、ネズミの動画が撮影された神南一丁目店だ。

店は現時点でも閉鎖されたままであり、再開予定の告知等も見当たらない。

情報提供者が述べていた「店内撮影禁止」ならびに「防犯カメラで監視中」のステッカーは、この店舗の入口付近にも貼られていた。

店員の証言渋谷センター街をはじめ、周辺にはファミマの店舗が複数存在する。そして、それらの店舗にも当該のステッカーが貼られていた。

この件を店員に尋ねると、噂を全面的に否定した。店員曰く、「ネズミの件とは全然関係ありません」。

そもそも、ステッカーはネズミの動画が出回るよりも前から貼られていたというのだ。

渋谷センター街の店舗。この店舗には、「店内撮影禁止」等を手書きで強調した掲示物もあった。

店員の証言を裏付ける具体的な証拠が、ネット上に存在する。Ｇｏｏｇｌｅマップでは、動画の騒動以前の２０１９年４月もしくは５月に撮影された現地の様子を確認できる。

そこにも、当該のステッカーが写っているのだ。

さらには、渋谷近辺に限らず、他の地域のファミマにも、このステッカーは以前から貼られていた。

「店内撮影禁止」、「防犯カメラで監視中」といった警告表示は必要であると思うかと店員に尋ねたところ、「この辺りでは必要じゃないかと」と答えた。

特に渋谷センター街では、外国人観光客やネットの動画配信者が至る所で撮影している。

ステッカーが貼られていても、それを無視して店内で撮影する客もいるそうだ。

まとめ以上の結果から、ステッカーによる警告は「別の店舗でもネズミの動画を撮影されないための対策なのではないか」という噂は事実無根であることを確認できた。

ネット上に出回った噂は、真偽が不明なまま拡散されていく傾向がある。

不確かな情報は安易に広めずに、まずは事実関係を確認してみることが大切だ。

高橋