TBSの武田信二社長が29日の定例会見で、ニュース番組『白熱ライブ ビビット』の“ヤラセ取材”について、「なんであんなことになったのか不思議」と客観的に語り、批判が相次いでいる。
問題のVTRについて、武田社長は「私自身、放送を見ていて驚きました」と発言。
「BPO(放送倫理・番組向上機構)にもその経緯を報告し、社内教育や企画内容のチェックを徹底するよう現場にお願いしている」としながらも、「なんであんなことになったのかと不思議だが、現場は現場でかなり追い詰められたところがあったよう」と弁明した。
『ビビット』は1月31日の放送で、多摩川の河川敷で生活するホームレスの男性らを特集。
ホームレス男性と、男性が飼育する17匹の犬が近隣住民に迷惑をかけているとして、この男性を「犬男爵」「人の皮を被った化け物」と呼び、オドロオドロしいイラストで表現した。
さらに、この男性はカメラの前で「何やってんだ! 勝手にはいりやがって!」などと怒鳴っていたが、後にこの男性が「カメラマンが向こうで待ち構えているところに『怒鳴って来てくれ』と頼まれた」などと証言した。
今回、ホームレス男性への表現について「不適切な内容だった。視聴者、関係者に改めておわびしたい」と謝罪した武田社長だが、ネット上では批判が殺到。「驚いてるのは社長だけ」「責任感じてないの丸出し」「上の人間が他人事だから、下がやりたい放題なんだよ」「社長がヤラセ謝罪したの何度目だよ」といった声が相次いでいる。
TBSといえば、昨年11月放送の『マツコの知らない世界』でお掃除グッズを紹介した際、掃除後のキーボードの映像が別のキーボードにすり変えられていたことが発覚。
これについて、TBSの伊佐野英樹編成局長は「捏造というようなことではない。単純なケアレスミス」とヤラセを否定。
一方、武田社長は「決して捏造ではないが、ケアレスミスであっても、本当に反省しないといけない」「こういう積み重ねが視聴者の信頼をそぐ一因になっていく。それぞれがテレビマンとして自覚しないといけない」と叱咤していた。
また、昨年6月放送のバラエティ番組『珍種目No.1は誰だ!?ピラミッド・ダービー』で出演者がCG処理で消された問題では、BPOが9人の番組スタッフに合計約15時間にわたる聞き取り調査を実施。
これにより、TBSが制作会社に半ば“丸投げ”していたことや、一部スタッフが「放送後に問題になるのではないか」と強い不安を抱きながらも、総合演出に意見を言えない制作環境であったことなどが明るみとなった。
「『ピラミッド・ダービー』の問題で、BPOから、VTRを“単なる素材”と位置づけていたことや、出演者への敬意や配慮の欠如を注意されたばかりのTBSですが、『ビビット』でも全く同じことが繰り返されてしまった。TBSは、ほかにもヤラセ騒動が頻発しているが、そのたびに言い訳や謝罪を繰り返し、番組は何ごともなかったかのように放送を続けている。同時に、ネット上では『BPO意味ねー!』『BPOの無力さ』といった声が相次ぎ、BPOの存在意義を疑問視する視聴者が増えています」(芸能記者)
今やヤラセのイメージがべったりのTBS。
社長がこの調子では、何も変わらないのかもしれない。
【日時】2017年03月30日(木) 20:30
【提供】日刊サイゾー