「歴史的建造物のオーナーになりませんか?103カ所を無料でお譲りいたします!」…イタリア文化省と国有財産庁が今月、一風変わった不動産公告を出した。
古代ローマ時代から中世に建てられた古城や要塞をはじめ、貴族の別荘や修道院などの歴史的建造物を無料で譲渡するというのだ。
対象となるのは、40代未満の若い起業家やベンチャー企業で、建物の維持管理を条件に、レストランやホテル、スパなどのリゾート施設に開発してもらうのが狙い。
希望者は来月26日までに国有財産庁に開発企画書をイタリア政府に提出し、審査を受ける必要があるが、審査に通れば、9年から最長で50年間にわたって、建物の所有権を持つことができる。
締め切りまで短いが、ご安心あれ。
プロジェクトはこの先2年間にわたって継続し、対象物件は新たに200加わる予定だ。
イタリア政府がこんな取り組みを始めたのは、日本同様、地方再生が理由。
イタリアには各地に歴史的建造物が点在するが、観光客が訪れるのは、ローマやヴェネツィア、ミラノばかりに集中し、地方は過疎化するばかり。
そこで、過疎化が進むエリアに存在する歴史的建造物に訪れる人を増やそうと、アイディアあふれる若手や企業を募って、観光による地方再生を目指そうというわけ。
103の建物は、古代ローマ街道や巡礼ルート沿いに点在していて、自転車でサイクリングしながら旅できるという。
注目の物件はローマに近いラツィオ州の崖の上に11世紀から残る「カステッロ・ディ・ブレラ」と、13世紀に建てられた要塞「カステッロ・ディ・モンテフィオーレ」。
文字通り、「一国一城のあるじ」になるのも夢じゃない、ロマンあふれるプロジェクトだ。
【日時】2017年05月30日(火) 06:00
【提供】ハザードラボ