南米チリ南部に位置するジャイマ火山の上空に最近、珍しいレンチキュラー雲が出現し、地元の地質学者が「ソンブレロをかぶったみたいだ」とツイッターで報告している。
この写真を投稿したのは、地元コンセプシオン大学で地質学を研究するニコラス・ルエンゴさん。
ニコラスさんが活動拠点とするコンセプシオンから、南東へ200キロほど離れたアンデス山脈に位置するジャイマ火山は、標高3125メートル。
17世紀以来、60回近い噴火記録があり、最近では2008年、2009年と相次いで噴火が起こり、溶岩流が発生。
山腹のスキー場やふもとの住民に避難命令が下された。
ここ10年近くは活動が沈静化しているが、近くのネバドス・デ・チジャン火山とともに、いつ何時、噴火してもおかしくない活火山だ。
そんなジャイマ火山にレンズ雲が出現したのは先月末。
気流が山を越える際に冷えた大気が笠雲を作り、風下に降りるときに温まって雲が消える。
ニコラスさんがいうように、陽気なソンブレロ姿にも見えるが、この雲が発生しているときは、山頂周辺では強い風が吹いていて、風上と風下では雲が激しく新陳代謝を繰り返していると考えられていて、ふもとの住民からは「円盤が山を飲み込もうとしている」という目撃情報が相次いだという。
■国内の火山の現状については、ハザードラボ「火山マップ」をご覧ください。
【日時】2017年06月26日(月) 12:38
【提供】ハザードラボ