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昨年、東京や富山、岡山の三県で、発熱や呼吸障害で医療機関に搬送された乳幼児ら計20人から、相次いでパレコウイルスが検出されたと国立感染症研究所が明らかにした。

感染研によると、最初にパレコウイルスが検出されたのは、岡山県倉敷市で2016年5月。

38℃以上の熱を発して、鼻血が出て意識障害に陥った生後40日の男の赤ちゃんが病院へ搬送された。

脚に赤い網目状の模様が広がっており、敗血症や脳炎の危険性もあるとして精密検査したところ、血液からパレコウイルスを検出。

適切な治療が功を奏して入院4日目に熱が下がり、7日で退院できた。

6月にも生後52日の男子が同じような症状で入院し、この子からもパレコウイルスが確認されたという。

その後、6〜8月にかけて東京や神奈川で新生児や3カ月未満の乳児ばかり10人、富山県内では12月にかけて生後1カ月の乳児4人を含む8人が、いずれも意識障害や循環器不全などの症状で医療機関を受診し、パレコウイルスが検出されている。

感染研によると、パレコウイルスは子供が多く感染するウイルスで、生後3カ月未満の新生児や乳児が感染すると、敗血症に似た症状や髄膜炎、脳症や無呼吸など重症化し、成人や子供がかかると手足に筋肉痛のような痛みがあったり、力が入らなくなったりするという。

親子やきょうだいの間で感染拡大するケースも多く、富山県の場合は、家族内感染が疑われる患者が5人いるという。

パレコウイルスは2〜3年周期で流行すると考えられており、日本国内では2006年、2008年、2011年、2014年に流行が報告されている。

これまでは、6〜9月にかけて流行のピークを迎えるのが一般的だったが、富山では冬場の感染も報告されていることから、感染研は今後も引き続き、手洗いやマスクなどの感染対策が必要だと呼び掛けている。