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国土交通省から運送業の許可を受けない「白トラ」で青果運送業を営んだとして、兵庫県警交通捜査課と加西署などは１５日までに、貨物自動車運送事業法違反（無許可営業）の疑いで、加西市のトラック運送業者社長を逮捕し、複数の関係先を捜索した。捜査関係者への取材で分かった。この業者は県内を中心に１０業者を下請けとするグループを形成。無許可運送を繰り返し、２０１７年の１年間で売り上げは約２億５千万円に上るという。

　許可を受けた事業者のトラックは緑色のナンバープレートだが、無許可は自家用車用の白色ナンバーで運送するため「白トラ」と呼ばれる。自社以外の貨物を商用で運ぶ行為は、運転手の安全に関する法的制約が適用できず、過労運転などにつながる危険があるとして禁じられている。

　捜査関係者らによると、加西市の業者は少なくとも１１年２月以降、京都市の卸売会社から発注を受け、県内の下請けを使うなどして青果を運んでいた疑いが持たれている。その際、業者は運送料の１割を差し引いていた。下請けは次第に増え、最終的に１０社が加わっていた。業者社長は調べに「無許可なら制約がなく、やればやるだけもうかるのでやった」と話しているという。

　卸売会社は市場から余った青果を買い取り、別の市場に売却する業務を手掛けている。運送依頼を受けたグループは神戸市中央卸売市場（神戸市兵庫区）をはじめ、大阪府や岡山、福岡、熊本県などの各市場を回っていたとみられる。

　県警は今年４月までに、同法違反容疑でこの業者と兵庫県福崎町内の下請け業者の両社長（当時）を逮捕。現在はいずれも不拘束で調べ、別の下請け業者などからも事情を聴きながら捜査を続けている。