飼い犬や飼い猫が体調を崩した際に、人間用の薬を与えても平気か?と迷う場合があるが、米国食品医薬品局(FDA)は18日、皮膚がんの治療薬などに使われている「フルオロウラシル」が入った塗り薬は、ペットに深刻な危害を加えるおそれがあると発表した。
「フルオロウラシル」は、抗腫瘍効果があると認められており、日本国内でも消化器系のがんの注射薬や、皮膚がんの場合は塗り薬として一般に使用されている。
また、一部の通販サイトでは、シミやソバカス、ほくろに対する美白効果があるとして、スキンケア医薬品として販売されている。
FDAによると、全米では塗り薬の中身を誤って舐めて飼い犬が死亡するケースが相次いで5件発生している。
そのうち、1件では、チューブで遊んでいた2頭が、牙を刺した穴から出たごく少量の薬を舐めたことで、嘔吐や発作を起こし、12時間後に死亡したほか、誤って中身を食べた犬が3日後に安楽死させられたケースも報告されているという。
これまでのところ、飼い猫に関する報告はないものの、猫は体毛に汚れがついた場合、舐めて落とそうとするので、飼い主が患部に塗布した直後に猫を撫でた場合は、注意が必要だと呼び掛けている。
FDAは警告文の中で、ペットの飼い主や獣医師、医療従事者、医薬品販売業者に対して、「フルオロウラシル」のリスクについて正しく認識する必要を訴えるとともに、誤ってペットが塗り薬を摂取した場合は、直ちに獣医師に相談するよう呼び掛けている。
【日時】2017年01月19日(木) 10:50
【提供】ハザードラボ