■セグメントは自動車の分類方法の一種
セグメントという英単語を直訳するなら、区分・部分・階層・断片など一部分を表す言葉になります。
これを自動車という概念にあてはめると、その一カテゴリというような意味合いで分類方法の一種として使用される言葉になります。
主にセグメントを使用しているのは欧州車だとされています。
では、自動車をどのような基準・要件で分類したのがセグメントなのでしょうか。
実は、セグメントという単語を使用する国や団体によって、基準・要件が異なるのが実態のようです。
だからこそ、わかりにくいのかもしれません。
つまり、ボディの形状の別をセグメントにしたり、車体の長さ別をセグメントにしたりと、いかようにでも利用できる曖昧な単語です。
そのためか、日本では滅多に聞くことのない用語となっています。
実際、普通の国産車を買う場合、新車だろうと中古車だろうと、まずセグメント云々という話にはならないでしょう。
その反面、車の解説をしているサイトなどを読んでいると、セグメントが頻繁に出てくることもあります。
セグメントは、なんとも厄介な存在かもしれません。
では、AセグとかBセグとか呼ばれているのは、どのような分類なのでしょうか?
■EUと一企業がそれぞれ定義するセグメント
EU欧州委員会では、セグメントAからB・Cなど9種類の分類を行っています。
それよりも前に、一企業であるグローバルインサイトでもAセグメントからEまで5種類のセグメント分けをしています。
つまり、同じAでも定義している団体・機関が異なるため、完全に一致するとは限りません。
もっとも、対立しているわけでもないので、概ね同じような結果になると考えることも出来ます。
すなわち、Aセグメントは軽自動車クラスの車やミニカーで、Bセグメントはコンパクトカー(スモールカー)といった具合です。
グローバルインサイトのセグメント分けとEU欧州委員会のセグメント分けに大きな違いがない一番の理由は、分類に使用する基準・要件が似通っているためです。
両者ともに、全長・価格・イメージ・装備・車体寸法などを使用しています。
続いて、Cセグメントは一般的な普通車でミディアムカーと呼ばれるカテゴリ、Dセグメントは少し大型になります。
そして、Eセグメントが高級車です。
車種でいえば、BMWやベンツのそれなりのグレードでしょう。
グローバルインサイトのセグメントはここまでですが、EU欧州委員会では、加えてF・S・M・Jの4セグメントを設定しています。
それぞれ、ラグジュアリーカー、スポーツクーペ、多目的車、SUV車です。
ところで、なぜヨーロッパではセグメントでカテゴライズするのでしょうか。
ここが日本人のオヤジにはわかりにくいところでしょうが、古代からの伝統的な階級社会が背景にあるともいわれています。
車にも階級があるということです。
わざわざ車を階級分けする以上、それに乗る人も階級分けされるのでしょうか。
もし、そうだとするなら、Aセグ車に乗っている人は、下位の階級ということになります。
21世紀でそれはなさそうですね。
そんなわけですので、軽自動車オーナーは自分の車はAセグ、コンパクトカーオーナーはBセグだと覚えて、明日から走るのも楽しいかもしれません。
【日時】2017年11月15日(水)
【提供】YAZIUP