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自民、教育「無償」明記見送りで維新と亀裂？




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2017年11月28日 22時13分
産経新聞


自民、教育「無償」明記見送りで維新と亀裂？
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　自民党が２８日の憲法改正推進本部の会合で、大学などを含む高等教育の「無償」との文言を憲法に明記しない方針を確認したことで、改憲に前向きな日本維新の会との関係に影を落としている。

　維新は改憲原案に「幼児期から高等教育に至るまで無償とする」と明記しており、「自民党は選挙公約を軽んじている」（松井一郎代表）と批判を浴びせた。改憲をめぐる両党の溝は決定的な亀裂に発展する可能性をはらむ。（原川貴郎、広池慶一）

　「完全無償化を憲法に書き込めということではない」

　２８日の自民党同推進本部会合で、衆院選公約の作成担当者はこう言い切った。

　自民党は、衆院選公約で改憲項目に「教育の無償化・充実強化」を掲げた。維新との関係を重視したい安倍晋三首相（党総裁）の意向があった。

　しかし党内では、財源の面や、大学に進学しない人との公平性の観点から、憲法で高等教育の無償化を明記することへの賛成論はなく、むしろ反対論が占めていた。

　「無償」の明記は見送ったものの、維新の別の改憲案は生かす方針だ。

　維新は平成２８年３月に発表した憲法改正原案で、教育を受ける権利を規定した憲法２６条に「経済的理由によってその機会を奪われない旨を明確にする」との規定を追加するよう求めている。自民党のたたき台には、教育の機会均等の明確化の文言を規定する方向性が示され、出席者からは評価する意見が出た。

　自民党推進本部の岡田直樹本部長代理は会合後の記者会見で「維新案を改憲の方向性として入れることへの反論はなかった。一つの方向性として考えていきたい」と述べ、維新の理解を得たい考えだ。

　だが、維新は反発を強めている。憲法への教育無償化の明記を「一丁目一番地」の看板公約としてきたからだ。

　大阪府知事でもある松井氏は２８日、府庁で記者団に、自民党の対応について「選挙の重みを軽んじている」と批判し、「憲法に盛り込まないと、政権が代われば（制度を）見直すことになるかもしれず、不安定になる」と述べ、無償を明記しないことへの懸念を示した。