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首都直下地震がいつ起こっても不思議ではないなか、家庭や企業では日常的に地震や火災に備えた訓練を行っているが、たくさんの猛獣を飼育する上野動物園でも今月13日、マレーグマが逃げた場合を想定した訓練を行った。

東京の上野動物園と多摩動物公園では、年に1度、緊急事態に備えた猛獣脱出対策訓練を交互に実施している。

休園日の13日に、警察署と消防署の協力を得て非公開で行った今回は、地震でマレーグマ舎の放飼場の木が倒れ、その木を伝ったクマが園内に逃げ出したという想定で、来園者をスムーズに避難させながら、副園長が飼育動物の対応隊長となり、飼育員による捕獲体制が組まれた。

逃げ出したマレーグマ役のスタッフは、シャンシャン親子がいるパンダ舎と総合案内所の間に設置した捕獲網に突進！捕獲隊は大声をあげて威嚇するも、制止しようとした隊員ひとりが心臓発作を起こして倒れ、救急搬送される事態に発展。

その後、麻酔銃（ニセモノ）を持ったスナイパーが車で現場に急行し、見事１発でマレーグマを仕留めたのだった。

上野動物園では1936（昭和11）年、クロヒョウが脱出し、半日後にマンホールの中で捕獲されるという事件があった。

同年に発生した「阿部定事件」「二・二六事件」と並んで「昭和11年の三大事件」と呼ばれたこの脱走事件は、第二次世界大戦中の飼育動物殺処分に影響を与えるきっかけとなっている。

真剣な表情で猛獣捕獲作戦を行った動物園では、「動物が逃げ出すことは絶対にあってはならないことですが、訓練を定期的に繰り返すことで、安全で安心な動物園づくりを目指しています」と話している。