近年は改善されていた東京都足立区の刑法犯認知件数が、3月末現在で再び都内最多になっている。
足立区によると、3月末現在の刑法犯認知件数は前年同期比5.2%増の1547件。
16年のワースト1だった世田谷区は同4.1%減、2位の新宿区は同21.7%減、
同3位の江戸川区も同17.3%減と軒並み減らす一方、4位だった足立区は増加に転じた。
「足立は治安が悪い」というイメージを払拭するため、
同区は08年から「割れた窓の放置など軽微なことが犯罪を招く」という
割れ窓理論に基づいた「ビューティフル・ウィンドウズ運動」を展開。
落書きや歩きたばこなど秩序のほころびを住民ボランティアがパトロールして注意したり、
警察から情報提供を受けて犯罪発生場所を示すマップを作成したりしてきた。
その結果、12年からワースト1を脱却したうえ、
10年と比較した15年の認知件数の減少率(約33%)が23区最大となった。
ところが、今年に入って侵入盗が急増。
例年は全体の約4割を占める自転車盗が前年同期比31件減の574件に抑えられている一方、
民家などへの侵入盗は同約2.3倍の106件と都内で突出している。
内訳は空き巣42件▽忍び込み22件▽出店荒らし14件−−などとなっている。