金密輸容疑、韓国人12人逮捕 福岡県警など、1.7億円相当
韓国から福岡空港を経由し、金塊約36キロ（１億７千万円相当）を密輸したとして、福岡県警などは７日、韓国人の男女12人を関税法違反などの疑いで逮捕したと発表した。指示役だった自営業の住所不定、チェ・チョル容疑者（47）は「密輸という認識があった」と供述。運搬役の７人を含め、全員が容疑を認めているという。
逮捕容疑は２月１日午前10時すぎ、韓国から福岡空港まで運んだ金塊約36キロを隠して日本国内に入国し、消費税や地方消費税を計約1370万円脱税した疑い。門司税関によると、３グループに分かれた運搬役がジーンズのポケットに金塊12キロずつ隠し持っていた。
福岡地検は７日までに８人を関税法違反罪などで起訴した。
県警によると、チェ容疑者に指示されたト・ヒョンジュン容疑者（32）ら４人が福岡市内で金塊を回収する役割を担っていたという。ＳＮＳ（交流サイト）などを通じ「日本に行くならいいアルバイトがある」「日本に運んでモノを渡すだけ」などと運搬役を募り、夫婦や友人関係だった７人を集めた。報酬は１グループ25万円で、渡航費は別に支払っていた。
ト容疑者らは「密輸組織と分かっていたが、生活費を稼ぐために続けた」と話しており、県警などは他にも組織ぐるみで同様の密輸に関わったとみて、捜査を進める。
門司税関は2017年、福岡空港など管内で金の密輸を359件摘発。16年比280件増で、押収量も同1331キロ増の1720キロとなった。同税関調査部の松原弥栄次長は「日本人も運び役に誘われる可能性がある。甘い言葉にはだまされないでほしい」と話した。
