平成１２年、前橋工業高校の硬式野球部が３０人以上の中学生を勧誘して、声を掛けた生徒を何人も不合格にしたのが原因。群馬県の前期選抜は、入試基準を募集要項に出していないためあいまいさがあり、中高の顧問同士の人間関係等で取りたい生徒を取れる弾力性がある。前工野球部は、受験前の受験生約３０人以上に不適切な作文指導をして、平成１８年に地元新聞（上毛新聞）で大きく取り上げられたが、教育委員会は改善の手を入れなかった。裁判名は、平成２３年（行ウ）９号、平成２３年行（ウ）１２号。また前期入試で異論を唱えた教師を学期途中で突然、担任から外し、平成２３年（ハ）８１７号で校長個人が訴えられ、平成２３年（ワ）８５１号で群馬県も提訴され、平成２４年（ネ）第４４３０号損害賠償請求控訴事件に発展。群馬県は裁判で入試の換算基準を明らかにした。それによると●中学３年間の評定平均を10倍。●空手、サッカー、硬式野球、新体操、柔道、バレー部は顧問が１点から１０点の加算点がある。●面接は２０点満点。作文は５点満点。この換算方式は部外秘。特定の部活動の顧問が１０点の加算点を持ち面接での点数が異様に高いため、主観的に合否を左右できる。文科省は平成３年４月第１４期中央教育審議会の答申で、「入学選抜についての情報を、生徒や保護者に積極的に提供する。」と述べ、平成平成５年２月には文部事務次官通知の留意すべき事項の中で「高等学校入学者選抜に関する情報を広く一般に提供すること」と通達している。これは一部のものが情報を管理・共有し自らに有利な運用をしないようにするため。群馬県の前期入試は、すべての高校の配点および加算点基準を公表していないことから、この答申に反している。
