ゲームデザイナー遠藤雅伸氏が語る
ゼビウスは「イデオン」、ドルアーガは「ET」から生まれた
—— それでゲームの世界に入り「ゼビウス」を手がけられているわけですよね。ゼビウスの世界観を創るとき、コンテンツから影響を受けたものはなかったんですか?
遠藤 あれは富野由悠季監督の「伝説巨神イデオン」から発想してますよ。「第6文明人という種族がいる。その末裔は異星人バッフ・クランであると同時に、地球人でもある」という設定がありますよね。その「種の起源は1つだった」とう考えをゼビウス全体の世界観に活かしているんですよ。
たとえば「現代人と古代人で、同じはずの文化がどこで違ってくるのか」を表現しているのが、そこで使われるバッフ・クランの特殊な用語でしたよね。特に人名なんかは聞きなれないものが多かったじゃないですか、「アバデデ・グリマデ」とか、「クララ・キナ」とか。
公野 「ギジェ・ザラル」とか(笑)。
遠藤 そうです。そういった語感が持つ「異星」らしい雰囲気や、地球とは違う文化を持っているというイメージをゲームに活かしています。登場するメカの形式やネーミングもそうですし、全編に渡って赤と黒のカラーが入っている点なども同じです。
そこで先ほどの話に戻ると、「敵と味方は基本的に同質である」というのも世界観に取り入れた点の1つです。その意味で、ゼビウスにも赤く点滅している部分があるんですが、それは「敵と味方に共通する何か」を表現しようと思って取り入れている部分ですね。
それにアニメそのものが好きだったので、キャラクターのアニメーションを作るときにセルアニメを参考にしていたこともありました。4枚〜8枚の画像を使ってアニメーションを作ったりもしていたんです。その意味でゼビウスは完全にイデオンへのオマージュです。
—— となると「影響を受けたコンテンツ」は、富野さんの作品になるわけですね。