🍼 北海道ママ・育児

潜在待機児童
道が初調査　２３市町１２９７人に　札幌市、突出７６１人　／北海道
毎日新聞2016年8月26日　地方版

出産・子育て
行政
北海道
ライフ
ライフスタイル
［PR］



　道は、希望した保育所に入れないなどの潜在待機児童数を独自に集計し、２３市町１２９７人（４月１日現在）だったと発表した。厚生労働省の調査に合わせて初めて集計したもので、国の定義による待機児童数は１２市町９４人（同）だった。【三股智子】

　国が定義する待機児童は、さまざまな条件の下で自治体が認可した保育サービスを受けられない子どもを指す。一方、道による「潜在待機児童」の定義は、▽希望する保育所を利用できず、保育室やベビーシッターを利用している▽保護者が求職活動を休止したり、育児休業中だったりする−−などの児童。

　この潜在待機児童は札幌市が７６１人と突出して多く、旭川市１３４人、江別市１０５人などと、都市部に多かった。

　「国定義」では０人だった苫小牧市の潜在待機児童は１１２人だった。同市によると多くが特定の保育所を希望しており、市東部に若い世帯の子どもが増えている一方、保育所整備が追いつかないことが背景にあるとみられる。同市は小規模保育事業の整備に力を入れて対応する方針。

　札幌市は保育所新設などの受け皿拡大や保育コーディネーターによるマッチング事業が奏功し、国定義は前年同期比６１人減の８人だった。一方で「潜在」は依然高水準で、保育方針や既にきょうだいが通っているなどの理由で特定の保育所を希望する人が多いという。

　全国的な待機児童問題を受け、厚労省は保育士不足解消を目的に今年４月、保育士配置基準を緩和した。道は条例改正し、保育士資格のない人が働くことを認める特例を設けた。今回の調査を受け、待機児童または潜在待機児童のいる市町は特例の適用が可能になる。道条例の適用外となる政令市・中核市のうち旭川市も条例改正し、保育士資格のない１１人が特例の利用登録をしている。