エイは身体が薄く大きなヒレが特徴である。身体の部分はカレイやヒラメなどに似ているが、これらに比べるとヒレが大きい。エイの代表的な種類は「アカエイ」で、エイといえばほぼこれをさす。古くから食べられてきたエイだが、高い漁獲量とは裏腹に消費量は減ってきている。変わった見ためからも、なじみがなければエイを食用として食べる人は少ないのだろう。フレンチではエイをムニエルにして食べることもあり、エイを食用とするのは日本だけではないようだ。エイの旬は夏頃で、鮮度のよいものはクセがなく淡白な白身魚である。しかし、エイをはじめとする軟骨魚類は、死後の分解作用によってアンモニアが生成されて異臭を放つ特性をもつ。強いにおいが気になる人もいるかもしれないが、アンモニアは実は防腐作用をもち、いまのように冷蔵技術が発達していない場合は、山間部でも食べられる海の幸として重宝されていたようだ。