📖 創作･携帯小説

美咲「はぁ・・・。はぁ・・・。」

荒い息、数字をカウントダウンする声

涼香「・・・・はぁ・・・・はぁ。」

・・・もうすぐでゴール。

あと２メートル・・・・1メートル。

まゆき「はい、終了。美咲、座ると痔になるわよ。もう一周歩いてきなさい。」

美咲「わかってますよ・・・・。・・・・はぁ・・・はぁ。」


まゆき「・・・・はい、涼香ゴール。涼香も歩いてきなさい。」

涼香「・・・・はい。・・・」

涼香(また、・・・・また美咲に負けた・・・。)

〜〜〜〜〜

まゆき「では、結果発表するわね。一位、美咲！」

パチパチ

「またぁ〜？」

「もう、抜かせないよ〜。」

まゆき「ほら！静かに。・・・二位は涼香。」

「涼香すごーい」

パチパチ

まゆき「・・・涼香は記録伸びなかったわね。・・・・それにしても美咲は記録が伸びる一方ね。」

まゆき「すばらしいことだわ。みんなもお手本にしなさい。」

「「はい！」」

私は、陸上部。

陸上で推薦され、この風上学園に進学した。

中長距離の次期キャプテンともいわれている。

涼香は、中学からの私の大親友。

・・・だった。

あの日までは。

もし、あの事件がなかったなら私は今でも陸上を続けていたはずだった。

あの事件とは、私の人生の分岐点となってしまった。

夏ー


私はちょっとがさつだけれど、運動部の中心的存在になっていた。

美咲「涼香〜。今日もつかれたよ。パン買って帰ろう？」

涼香「もー！食いしん坊なんだから。」

紗枝「あっ・・・・美咲。」

美咲「・・・？・・・・紗枝先輩‼」

紗枝「最近調子がいいみたいね。・・・・ってもとからか。」

美咲「いや・・・。そんなことないですよ。まだまだ上をめざしてるんで。」

紗枝「まぁそうよね。推薦で高校にはいるくらいだもの。」

美咲「あ・・・あはは。・・・・そういえば先輩もうすぐで引退ですね。」

紗枝「なによ？うれしいの？」

美咲「そんなことないですよ。寂しいです。」

紗枝「ま、美咲がこれ以上タイムが上がらないことを願うわ。」

美咲「はい？」

紗枝「前から思ってたの。あんたが邪魔って。」

美咲「・・・・・。」

紗枝「やだ、ごめん。つい。じゃ、またね。」

・・・・・・

涼香「・・・先輩怖いね。」

美咲「くっそー‼ぼろくそいっちゃってさあー。ねたまないでよ‼」

涼香「あはは。ほんと、美咲って強いよね。」

美咲「そう？あは。じゃ、帰ってパン食べるぞー‼」

涼香「まだ言ってんのー？」

涼香の家−その後

涼香「っ・・・・なんでよ。なんでいっつもあいつばっかりなの‼」

私は美咲より早く陸上をはじめたのに・・・。

美咲についていけない。いっつも2位‼

小学生の時は私が1位だったのに。

中学生になって美咲に出会ってから私の人生が変わった・・。

高校だって、どうして美咲が推薦で私はみんなと同じで入試をしなきゃいけなかったの？

涼香「くやしい・・・。美咲なんて中学の部活でお遊び程度ではじめたくせに」

ピロリロリン♪

涼香「‼・・・メールか・・。」

——————————————————
涼香、美咲のことどう思ってる？

もしかしたら、涼香も美咲のこと

邪魔って思ってるかなーって。

もし、わたしの思ってることが

あたっているなら、組まない？

その気があれば、電話して？

待ってるから。

あ、美咲に告げ口したら

部活にいられないようにしてやるから。


from紗枝
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涼香「・・・・これって。」

次の日−朝

美咲「おっはよー‼」

涼香「(びくっ)お・・・はよ。」

美咲「・・・？何驚いてんの？変なのー。」

涼香「急に美咲が大声出すからー。」

美咲「そういえば、さっき大崎が朝練やってたよ」

涼香「ちょっと‼大声で言わないで。」

美咲「いいじゃんー。もうー告ればいいのに。」

涼香「簡単に言わないでよ！」

美咲「えー？だってさー陸上部とサッカー部の熱い恋なんて素敵じゃん！」

涼香「そうでもないよ。」

美咲「とにかく‼応援してるからー。大崎と話したことないけど。」

涼香「ったくテキトーなんだから。」

帰り−

美咲「涼香、一緒にかえろー。」

涼香「ごめん。今日大事な約束があるから。」

美咲「えー。そっか。じゃあ、また明日ね！」

涼香「うん・・・。」


———————

美咲「一人かぁー。つまんないのー。」

「「キャー」」

美咲「え‼？」

グランドから女の子の声がする。

グランドをのぞくと、サッカー部が部活をしていた。

美咲「陸上部、今日オフだからなー」

お？大崎くんじゃん。

あ。ゴール決めにいってる。

美咲「ちょっと近くまでみに行こうかな。」

ここのグランドってフェンスがないから入り放題じゃん。

美咲「あ」

気が付いた時にはボールが私の顔面にあたっていた。

そのころ−喫茶店

涼香「・・・・。あ、紗枝先輩。」

紗枝「涼香。来たんだ？」

涼香「いや・・・。あのメールがどういう意味なのかを確かめたくて・・。」

紗枝「ふふ。そのまんまだよ。」

涼香「え？」

紗枝「今ね、3年でおもしろいこと考えてるの。」

涼香「おもしろいこと？」

紗枝「美咲を退部させようって話。」

涼香「・・・・退部‼？」

紗枝「そんな驚かないでよ。ちょっとしたいたずらよ。」

いたずらって・・・。そんなレベルじゃない。

紗枝「で？やるの？」

涼香「え？」

紗枝「ここまで聞いたんだからやるってことでしょ？」

涼香「そんな、私は別に・・。」

紗枝「いい人ぶるのはやめたら？涼香が美咲を抜かせるチャンスなんだよ？」

たしかに、美咲のことは嫌いだけど。

紗枝「ふふ。いいわ。あなたに選択させてあげる。」

涼香「選択ですか・・？」

紗枝「うん。もし涼香が私と組むなら計画を実行。それか涼香が私と組まないならなにもしない。」

つまり、今の段階だと美咲を助けられるってこと？

ううん。迷う必要なんてない。

私は・・・

私は、美咲のことを親友だとも、友達だとも思ったことはない。

紗枝「・・・どうする？嫌なら・・」

涼香「やります！・・・やらせてください。」

紗枝「(ニヤ)交渉成立ね。」

そのころ−美咲

バタッ

美咲「い・・・・た・・・い。」

渉「あの、大丈夫ですか？今保健室に・・・」

美咲「全然よゆうだっつーの。そこら辺の気弱な女子と一緒にしないで。」

渉「・・・？・・・・まぁそれならよかったです。じゃあ・・」

たらー

渉「あ・・・。あの、鼻から・・・」

美咲「？鼻がなに？・・・・・ぎゃぁぁぁぁ‼血‼血‼」

わぁ・・・。なんかめまいが。

渉「落ち着いて‼保健室に・・・」

ばたっ

—————

美咲「ん・・・・・。」

なんだろ・・・。保健室？

里佳子「あら、安藤さん大丈夫？貧血で倒れたのよ。」

げ。保健室のエロ先生だ。

里佳子「もう、平気なの？」

美咲「えぇ・・・。まぁ」

里佳子「あ、まだ行かないでね。記録かかないといけないから。」

美咲「はい・・・。」

里佳子「えーっとじゃあ・・・」

ガラ

渉「失礼します。」

里佳子「あら、大崎くん」

渉「エロ先・・・じゃなくて先生、その人大丈夫ですか？」

里佳子「あらあら。わざわざ見に来てくれたのね。」

渉「違いますよ。顧問が見に行けっていうから。」

里佳子「まぁ、照れなくていいのに。」

渉「エロ先生、これが照れてる顔に見えますか？」

里佳子「てめぇ今なんつった？」

渉「・・・‼やべ。」

エロ先生て言ったらきれるんだった。

里佳子「まぁいいわ。記録書いといて。一気にめんどくさくなった。その子たいしたことないから。」

美咲「はい？」

里佳子「ちょうど職員会議始まっちゃうし。戸締りよろしく。」

バタン

・・・・

美咲「なんだあれ。」

渉「まぁいいわ。で、どこ怪我したんだっけ」

美咲「顔・・・鼻かな？」

渉「

渉「いつだっけ」

美咲「16時30分・・・・40分だっけ。」

渉「どこでだっけ」

美咲「グランドでしょ‼・・・いや、あそこはギリギリ通路てきな・・・」

渉「薬は？」

美咲「いや、とくには・・・・。てかテキトーじゃない？」

渉「たいしたことないってエロ先生がいってたし。」

美咲「・・・そういえば。あやまってなくない？」

渉「ギャーギャー騒いで試合を見る方が悪いと思うよ？」

こいつ・・・・性格最悪だな。

美咲「私は騒いでないし。」

渉「あっそ。じゃあなんで見てたの？好きな人でも？」

美咲「いや。たまたま」

渉「たまたまのわりには結構入ってきてたよね。」

美咲「あー‼もう‼わかったよ。こっちが悪かった‼ごめんなさい。」

渉「なにが？」

美咲「は？あやまったからいいでしょ‼記録終わったなら行くから‼戸締りしといてよ！」

バタン

渉「ほんとに変な人だな。謝れなんていってないのに。」

二日後、教室

美咲「涼香おはよー‼」

涼香「・・・・。」

美咲「・・・あれ？」

どうしたんだろ。なんかあったのかな。
そっとしておこっと

紗枝「美咲、フォームの確認するから来て。」

美咲「あ、はい。」

私は、バックをおいてその場から去った。

—————午後、部活

まゆき「さぁ、みんな集まったかしら？」

急に集まるなんて・・・。なんかあったのかな？

まゆき「今回みんなを集めた理由は・・・・。」

先生はとてもいいづらそうだった。

まゆき「実は部費がなくなっていたの。」

「「えぇ‼？」」

みんなとても驚いていた。

「「どういうことですか？」」

「「なくしたんですか？」」

いっきにざわついた。

まゆき「・・・・確かに職員室に置いたはずなのよ。」

そこに紗枝先輩が口をだしてきた

紗枝「もしかしたら、誰か盗んだのかもしれませんよ？」

ざわざわ

またざわついた。

まゆき「そんな・・・。生徒のせいにするのはよくないわ。」

紗枝「確認ですよ。バックの中を確認するんですよ。」

紗枝先輩の口調がなんだかわざとらしい。

まゆき「みんなのバックの中を？」

紗枝「はい。確認するだけなら問題ないと思いますけど。」

紗枝先輩はまるで犯人が誰だかわかっているようだった。

美咲「部員に犯人がいるわけないじゃん・・・・。」

紗枝「わからないとおもうけど〜？」

そうしてバックの中の確認が始まった。

１年、3年、２年の順だった。

最後は、私だ。

そして・・・

私の番がきた。

まゆき「はぁ、やっぱりほかのところなのかしら・・・。」

そう諦めたようにつぶやきながら私のバックをあけた。

教科書などをさけて出てきたのは。

封筒だった。

まゆき「・・・・あれ？これって・・・・。」

美咲「え？・・・・なにそれ・・・・・。」

嫌な予感がした。」

封筒の中を確認するとお金が入っていた。

美咲「な・・・にこれ。」

先生はお金を数えて部費と一致することを確認した。

まゆき「美咲・・・。これは何？」

美咲「し・・・・知りません‼」

紗枝「もっとましな嘘つけばいいのに。」

美咲「先輩‼言いがかりはやめてください！」

紗枝「は？わたしとフォームの確認するとき職員室にあんた入ったでしょ！そんときに盗んだんでしょ？」

まゆき「・・・確かにあたしはずっと紗枝と話していたから美咲には盗る隙もあった・・・。」

美咲「じゃあ、いつバックにいれるっていうんですか！・・・・・そうだ、私ずっと涼香といたんです！」

紗枝「だから？」

美咲「フォームの確認が終わってからずっと涼香と一緒だったんです。だから、涼香が私は何もしていないって知ってます！」

まゆき「・・・・どうなの？涼香。」

涼香・・・・。

涼香「・・・・・私は・・。」

涼香「私は・・・美咲が何もしていないって信じたい。」

美咲「涼香・・・。」

紗枝「！・・・どういうこと？(裏切るつもり？)」

涼香「でも・・・。私、美咲が封筒をバックに入れるところを見ました・・・。」

美咲「！・・・・涼香？なにいってんの？」

紗枝「(ニヤ)やっぱり見てたんだ。」

涼香「ごめんね美咲。でもやっぱり私嘘はつけない。こんなことしたらだめだよ・・・・。」

涼香が涙をこぼし始めた。

美咲「涼香・・・。あんた・・・・。」

私は悔しくて何も言えなかった。

まゆき「美咲、職員室に来なさい！」

先生が急に大きな声をだした

震えが止まらなかった。

先生が言っていることが全く頭にはいらなかった。

でも、ひとつだけ覚えている。

「あんた、クズだったのね。」

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やっと解放され、家に帰してくれることになり、学校を出た。

外には涼香が一人、立っていた。

もう、あたりは暗くなっていた。

美咲「涼香・・・・。どうしてあんな嘘を？」

声が震える

涼香「あんたが嫌いだから。」

涼香はなんの悪びれもなく、さっきの涙は嘘かのように言った。

涼香「それだけ。当然退部でしょ？ごくろうさん。」

そういって、おそろいのストラップを投げ捨てて去って行った。

悔しすぎて涙が出た。

美咲「どうしてよぉ・・・・。私の親友は、あんた一人なんだよ！」

そのころ、涼香

・・・・言えた。やっと。

これで私は一位。

なにも怖いものなんてない。

涼香「さようなら、美咲。あんたは地獄へと落ちるんだよ。」

自分が悪者になっているなんて自覚はない。

むしろ気持ちいいくらいだった。

ピロリロリン♪

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今日は、本当に楽しかった。

いい気味過ぎてほんとに笑えるｗ

でも一瞬涼香が裏切るかと思った。

案外腹黒いからびっくりしちゃった。

じゃ、これからもよろしくね？

涼香

from紗枝
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涼香「はは。先輩ってば。」


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先輩、本当にありがとうございました

先輩には感謝してます

これで、美咲は退部確定ですから

楽しく部活ができるように

なりますね

これからもよろしくお願いします

from涼香
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涼香「そーしんっと」

美咲

部費は私の母が払った。

それから私は不登校になり、季節は変わり冬になっていた。

転校も考えたが私の頭じゃ転校できない。

でも、あるドラマに刺激されて学校に行く決意をした。

怖い・・・。

学校の前まで来たけれど怖さで足がすくむ。

美咲「たす・・・けて」

渉「やべ！遅刻だ！」

ドン

人とぶつかった

渉「おわ！すいませ・・・・。てか、またお前かよ！」

また鼻から血が出た。

渉「そういえばお前・・・・・。ってまた鼻血かよ！」

そうして保健室に来た。

保健室には女の子とエロ先生がいた。

里佳子「あら？あなた確か安藤さん？」

渉「はい、また鼻血で・・・」

里佳子「そうじゃなくて、部費を・・・・。」

渉「おい！言うなよ！」

里佳子「あ、そうよね・・・。なんでもないわ。ごめんなさい。」

あぁ・・・・こんなとこまで広まってんだ。

継美「あぁ部費盗んだ人ね。」

手当してもらってる女の子が口を開いた。

渉「おい継美！言うな。」

継美「あれ？渉いつから女の子にやさしくなったの？」

里佳子「あらずいぶんと仲いいのね。」

継美「元彼なんで。」

え！元彼！

継美「夏くらいに別れたよね。」

ってことは涼香が好きって言ってた時と・・・・

って、なんで涼香のことを思い出すんだろ。

継美「てか、退学になったかと思ったわ。安藤さん」

美咲「・・・私は部費を盗ってません。」

継美「え？じゃあなんで部費またお母さんにはらってもらったの？」

美咲「どうしてそこまで・・・。」

渉「コイツ広報委員だから。うちの広報って芸能スクープ並みにすごいのがうりだからさ。」

里佳子「まったく、悪趣味よね。」

継美「それよりさ、いい加減鼻血とめたら？安藤さん。」

美咲「あ、ほんとだ。」

里佳子「ほらこっちおいで。」

そして軽く手当をしてもらった。

継美「安藤さんさ、結構有名だったんだよ1年のときから。」

美咲「え？」

継美「陸上で、推薦でこの学校に入ったじゃん？」

渉「あぁ、そういえば誰かが言ってたな。」

継美「だから注目してたんだけどこんなことになって残念」

美咲「・・・・。」

継美「まぁ面白いネタができたからいいけど。」

里佳子「葛西さんは文化部の中心的存在だからね。」

美咲「文化部？」

里佳子「そうよ。だから文化部の中心が葛西さんで運動部の中心が安藤さんみたいな感じだったのよ。」

渉「俺二人が敵対してるってイメージあったけど。」

継美「まぁ今の運動部の中心は橘涼香だけどね。」

美咲「涼香・・・・・」

継美「そういえば、安藤さんって橘さんと仲良かったよね。」

美咲「別に・・・。」

継美「橘さん、今すごい楽しそうだよ？すべてが一位で。まるで夏までの安藤さんみたいに。」

美咲「そうかもね。」

続きまだ〜