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『三股』
その昔、A(男)がいました。
Aは凄い刀の使い手でした。
そんなAに惚れたのはB(女)でした。BはAと仲良くなろうと、おいしい料理を毎日、Aに持って行こうと考えました。
しかし、Aには好きな人がいました。L(ゲイ)です。Lは弓矢の達人でした。
ある夏の日、あまりの暑さに頭がおかしくなったAは刀で、Lの男根を切り落としてしまいました。それを目撃してしまったBは、Lがやっと女になれたと思いました。
血に染った刀を見ながらニヤニヤしていたAと、もがき苦しむL。Aは今度は自分の男根に刀を向け始めました。それだけは、断じてさせてはならぬと、BはAに叫びました。「待ってください!味見だけさせてください!」
「誰だ、おまえは!?」
「あなたのことが好きなBという女でございます」
「おれは普通の女に興味はない!」
「味見だけでも!」
「おれの男根は女のための男根じゃないぞ!」
「味見だけでも!」
「ならば、これをくれようぞ!」と、Aは地面に落ちていたLの男根をBの方へ投げた。
「こんなものは嫌です!」と、Bは地面の男根を蹴った。
「わがままな女め!」
「味見を!」
「そんなにおれのが欲しいのか!」
「欲しいです!味見を!」
「よかろう。こっちへ来い」
その時、絶叫しながらLが立ち上がり、Aの刀を奪い、Aの男根を切り落とした。
Bは怒りと絶望で、その場から立ち去った。
走り続けたBは疲れたので、立ち止まった。涙を拭いた。夕日が美しかった。
【完】