🚘 自動車総合

車が走行すると当然ながらボディー全体に「負圧が発生する部分」と「正圧が発生する部分」ができます、飛行機知っている人なら分かると思いますが、厳密に言うとボディ表面から空気が剥離しない限りは走行中のボディ表面を流れる空気は流速を持っていますのですべて負圧と言えるのですが、それでもより効率よく空気の流れを利用するために、あえて負圧域と正圧域を別けて説明したいと思います

多くの方がインタークーラーやラジエーターの冷却で注目する部分にボンネットがあると思います、とくに古い車で見受けられるのは「ボンネット浮かし」というボンネット後端を持ち上げてそこから熱気を吐出する効果を狙おうとするものですが、ハッキリ言ってこれはあまり賢い方法ではありません

その理由はボンネット後端、すなわちボンネット上を流れる走行風がフロントウインドウにぶつかり角度を変える部分、この周辺は正圧域であり、これはむしろ内部の熱気を放出するよりも外気を導入するのに都合がいい部分なのです

考えてみればすぐに解りますが、昔からメーカーが出してる車のこの部分にエアアウトレットを設けてるものはありませんし、むしろここは外気導入のための開口部があります、ここは熱気を抜くのではなく、走行風を利用して外気を導入するのに都合のいい部分なのです

レーシングカーにボンネット浮かしやボンネット後端にエアアウトレットが存在しないということを考えてもらえば、簡単にわかっていただけると思います、では熱気を抜くのはどこがいいかと言いますとボンネット前半部(ラジエーターの後ろ)です、ラジエーターやインタークーラーからの熱気を抜くのに最適なのはこの負圧発生域、これはもうラリー車やレーシングカーでも多くのクルマがやっていますので説明の必要はないと思います

ただ、ボンネット浮かしの効果は停車時にはあります、ユラユラと陽炎が立ち上ぼりますから浮かしてない時よりも早くエンジンや補機類が自然に冷める効果があり、昔のキャブレター時代は熱伝導によるガソリンの泡立ち(パーコレーション)防止になりました

以上