4事件のうち、清水建設の事件と、10年に同市で暴力団排除運動を進めていた自治総連合会会長方が銃撃された事件の審理入りは初めて。工藤会の組織的な関与や、利権確保を狙ったとされる事件の背景がどこまで解明されるかが注目される。
起訴状によると、今村被告は(1)10年3月、北九州市小倉南区の自治総連合会会長宅を銃撃し会長と妻を殺害しようとした(2)11年2月、同市小倉北区の清水建設の現場事務所で男性社員を銃撃し、けがをさせた(3)同年11月、同区で建設会社会長の内納(うちのう)敏博さん(当時72歳)を銃撃し殺害した(4)13年1月、福岡市博多区で看護師女性の頭や胸などを刃物で刺して殺害しようとした−−などとされる。
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[匿名さん]
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藪 正孝
原因も動機もわからず
平成16年1月25日午前2時ごろ、北九州市小倉南区で北九州市議会議長宅に拳銃弾3発が撃ち込まれた。一発は寝ていた家族の枕元、1メートルほどの壁に当たっていた。もし銃声に驚いて起き上がっていれば、弾が命中した可能性もあった。
4月18日午前3時ごろ、小倉北区のパチンコ店経営者宅に、5月21日午前3時過ぎ、同じく小倉北区で、福岡県議会議員の自宅に拳銃弾が撃ち込まれた。
6月22日午前0時45分ごろ小倉南区の建設会社に、27日午前1時15分ごろ小倉北区のゼネコン北九州営業所に、翌28日午前4時ごろには小倉北区の洋服店に拳銃弾が撃ち込まれた。立て続けの銃撃事件に、新聞・テレビの論調も福岡県警に対して厳しさを増してきた。そして9月1日午前0時50分ごろ、戸畑区内の大手物流会社支店に拳銃弾が撃ち込まれた。
いずれの事件も工藤會の犯行と推測された。しかし最初のうちは、その原因、動機が皆目わからず、工藤會のどの傘下組織が実行したのかも特定できなかった。
その中で、2番目に起こったパチンコ店経営者宅への発砲事件については、ある組に対する容疑が強まっていた。このパチンコ店の系列店が、6月、筑豊地区の宮田町(現・宮若市)にオープンすることになっており、地元の工藤會I組組長(当時64)が経営者に対して面会を要求したが、経営者側が断固として断っていたのだ。
ただ、I組は組員も数名しかおらず、しかも若頭以下組員全員を前年、中国エステ放火事件などで検挙していた。組長しか残っていなかったので、自らパチンコ店経営者に面会を強要したようである。しかし仮にも組長クラスが自ら銃撃事件を起こすとは考えられなかった。
[匿名さん]