青山学院大学学長の三木義一氏が、日本共産党に対して大胆な提案をするとともに批判を展開していることが判明した。当該の発言が飛び出したのは、三木氏が連載を担当する東京新聞のコラムでのことだった。
2019年11月7日の朝刊「本音のコラム」欄に、「いつまで、昔の名前?」と題して執筆した。
三木氏は共産党が与党への批判を展開していることを認めつつ、「本当に市民のために社会を変えようと努力するのだろうか」と疑問視する。
その理由として、「民主党政権の時、税務調査手続きの公正化を何とか実現しようと努力したときに、抵抗したのは自民党、財務省、共産党関係団体だった」と述べている。
続いて、三木氏は「共産党」という政党名に由来する危惧を表明。
「与党になったときに、今の与党以上に批判の自由や選挙の自由を保障するのか、市民は不安に思っているのではないだろうか。中国の香港に対する対応を見ていると日本市民も不安を禁じ得ないだろう」という。なぜ「共産党」という政党名にこだわり続けるのかというのだ。
「共産主義のイメージはロシア、中国、北朝鮮で形成されてしまっている。このイメージのままでは連合しようと思っても他の政党も躊躇せざるを得まい」。さらに、「日本で政権交代が起こりにくい理由の一つが、共産党という名前の有力野党があること」と指摘。「そろそろ、共産という名称を捨て、平和と格差是正の政党になってはどうだろう」と提言した。
三木氏の主張に対しては、SNS等でも日本共産党の支持者から異論が提起されている。一例として、ある人物は三木氏の主張を、野党連合の実現に取り組んでいる共産党を含む野党や市民への「攻撃」であるとともに、いわゆる「反共攻撃」であると書いている。
日本共産党に、三木氏への反論を展開してほしいという。ちなみに、三木氏は立命館大学教授を務めていた時期に、「九条の会」の賛同者名簿に名を連ねている。そして、賛同者一覧には、志位和夫氏や不破哲三氏といった日本共産党の関係者の名前も確認できる。「護憲」の立場を表明しているという点に限れば、三木氏は日本共産党と認識が一致しているようだ。
当サイトが関係者を通じて得た証言によると、かつて東京新聞は各大学の学長にキャンパス内を案内してもらうという連載を行い、それに登場した一人が三木氏だったという。
この記事が好評だった模様で、それ以降、三木氏は同紙で短期連載を担当したり、各種の記事内で識者として頻繁にコメントしたりするようになった。「本音のコラム」は同紙で長年続いている名物コーナーの一つであり、その執筆者になるのは「一押し」の人物であることが多いそうだ。三木氏の主張に対してはネット上でも賛否が分かれているようだが、このたびの発言で、自身の政治的スタンスをより明確にしたということなのかもしれない。
【日時】2019年11月17日(日)
【提供】探偵Watch