🏯 松江市雑談

市民団体、住民投票条例目指す

松江市が老朽化に伴って現在の末次町での建て替えを予定する市庁舎を巡り、事業の延期を求める市民団体「松江市民のための新庁舎建設を求める会」が設立された。同会は事業費１５０億円を見込む建て替えについて議論と市民の理解が不十分だとし、今年１２月に予定通り着工するか、工事を延期するかを問う住民投票条例の制定を目指す。
片岡佳美・島根大教授（社会学）、関耕平・同大教授（財政学）ら４人が共同代表を務める。現庁舎は１９６２年築で耐震性が不足しており、西館以外の建て替えが決まっている。事業費は１８年８月に示された基本計画案では１２０億円だったが、１９年１１月発表の基本設計では３０億円増の１５０億円に達した。
増額の理由を松江市は、基本設計では概算だった費用を正確に算出したり、東京五輪や大阪万博に伴って建設単価が上昇したりしたと説明している。財源は庁舎建設基金５０億円のほか、市の借金となる市債を新たに約９９億円発行する。
同会は、「納税者の借金になるのに１５０億円とした経緯や理由について納得できる説明がない」と主張。ホームページ（Ｍａｔｔａ．ｊｐ）で事業延期を求める活動を紹介し、１カ月以内をめどに直筆の署名活動を始める。
住民投票条例の直接請求には、地方自治法に基づき１カ月以内に有権者の５０分の１の署名を集めることが必要で、同会は４０００人分を目指す。片岡代表は「新庁舎建設そのものに反対しているわけではない。一度立ち止まり、熟議することが必要だ」と訴えた。
近年の山陰での市庁舎建て替え事業費は、安来市約４３億円▽雲南市約３８億円▽鳥取市約９８億円だった。

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