大阪・キタの地元住民グループなどが、路上に立つ売春の客待ちへの対策として、道路を黄色にペイントする。目立つ場所を嫌がる心理を利用した計画で、警察庁が協力。2025年大阪・関西万博を前に、パトロールや警察の取り締まりではなかなか減らない客待ちを一掃したい考えだ。(山口佐和子、土谷武嗣)
■いたちごっこ
ホテルや飲食店が立ち並ぶ大阪市北区太融寺町の一角。裏通りの路上には、昼夜問わず若い女性たちが立っている。
数年前から目立つようになったといい、地元の防犯協会や曽根崎署は、路上の巡回に力を入れてきた。同署は、今年8月までの1年間だけでも、客待ちをしたとして20人を超える女性を売春防止法違反の疑いで逮捕・書類送検した。だが、すぐに別の女性が現れ、「いたちごっこ」になっている。
地元住民の中には、イメージの悪さに嫌気がさし、引っ越した人もいるという。最近は、SNSで「毎日女子が立ち並んでいる」などと発信されており、地元住民の一人は「興味本位で訪れる人もいて困っている」と話す。
■行動経済学
そこで計画したのが、道路を派手にする対策だ。
客待ちが目立つ市道約100メートルを黄色くペイントする。さらに、専門学校でデザインを学ぶ学生に路上を去りたくなるようなイラストを考えて描いてもらったり、街灯を増やして明るくしたりする。
地元住民や曽根崎署は、以前から街頭犯罪対策で警察庁科学警察研究所と連携してきた。今回、同研究所から受けたアドバイスが、行動経済学の「ナッジ理論」だった。「そっと後押しする」という意味で、伝え方を工夫すること…
【日時】2024年10月02日(水) 14:47
【ソース】読売新聞オンライン