伊死者11人、仏も2人目 周辺国に感染拡大、国境は閉じず—新型肺炎
2020年02月26日21時36分
【パリ時事】イタリア市民保護局は25日、新型コロナウイルスによる死者が計11人となり、感染者は死者を含めて322人に達したと明らかにした。ANSA通信が報じた。報道によると、スイス、ルーマニアでも同日、国内初の感染が1件ずつ確認され、欧州での感染が広まりつつある。
中南米で初の新型肺炎陽性 イタリアで感染か—ブラジル
フランス保健省は26日、新型ウイルスにより仏国籍の男性(60)がパリで死亡したと発表した。今月中旬に死亡した中国人旅行者の男性に続き、仏国内2人目の死者。感染者もさらに2人出た。
ドイツやスペインでも26日までに新たな感染者が確認された。AFP通信などによると、ドイツとスイスの患者は伊北部ミラノで感染した疑いが強いという。
ローマでは25日、フランスやスロベニアなど伊周辺国の閣僚会合が行われ、現時点ではイタリアとの国境封鎖は実施しない方針を決定した。スペランツァ伊保健相は25日、会合後の記者会見で、国民に出国規制を設けないと明らかにした。その上で、感染防止対策は「どの国も単独では行動できず、協力しなければならない」と訴えた。
仏環境省高官は25日、地元ラジオに出演し、感染者数が多い伊北部への旅行を予定している国民に対し「可能なら延期を勧める」と述べた。