岳ダム
岳ダムは二本松市を流れる阿武隈川水系原瀬川をせき止めているダムで,ダム自体は岳温泉温泉街近くに設置されている。同ダムは,原瀬川が火山堆積物で形成された安達太良山麓を流れている関係上,度々水害を起こしていたため,洪水調整やかんがい用として造られたものである。
さて,同ダム付近では少し悲しい内容の心霊現象が今に伝わる。岳温泉が湯治場として賑わい,遊女も置かれていた時代,ある遊女が客として訪れた男と再会を約束していたが,その男はいつになっても会いに来てくれなかった。そのうち,失意のうちに死亡した遊女が幽霊として,この近辺の道路に現れるのだという。
同温泉は幾多の変遷を辿っているが,温泉に遊女(女郎)を置いていたのは「湯日(元岳)温泉」時代か「十文字岳温泉」時代のことであり、双方とも、現在の岳温泉とは別の場所に存在していた。湯日(元岳)温泉、十文字岳温泉と、現在の岳温泉の位置関係がつかめないが、あまり距離は離れていなかったのだろうか。
次に,幽霊が現れるとされる場所についてであるが,同ダム堤体の直近を,県道386号線の旧道(二本松岳温泉線)が通るとのことであり、この道路に現れるとされるのだろうか。
いずれにせよ、過去の温泉と現在の温泉の位置関係について、まだ不勉強なところがあるため、今後よく調査をしたいと考えている。
遊女も年季が明けたり,身元引き受けをすれば自由の身になることもありえたという。くだんの男とどのような約束をしたか知る由もないが,遊女の無念の思いはいかほどばかりだっただろうか。
[匿名さん]
昨日 安達太良スキー場の帰りに岳ダム見に行ったけど
旧道封鎖されてんだね
落石凄かった
[匿名さん]
些か古い話のことであるが,二本松市にはかつて,とあるオンボロで有名な劇場があったという。この劇場で公演をした者によると,最終日の朝,皆が靴を履いたか履かないかのうちに,二階の楽屋の障子を叩くような音や畳をはくような音がし,背筋がゾッとするような感覚に陥ったのだという。
なんでもこの楽屋では,かつて,ある大家の娘が二枚目役者に恋をしたが結局捨てられ,後に残されたのは自身とお腹の子供だけとなり,思い悩み最後は二枚目役者がいた楽屋で自殺をしたのだと言う。
それからと言うもの,どの劇団がこの劇場に来ても,男性が一人でいるとこの怪音が聞こえたのだという。
旅芸人などが地方にある劇場で公演をし,それを娯楽としていた,相当古い時代の話(明治~昭和初期)であり,この劇場がどこなのか,現存しているのかは残念ながら不明である。
[匿名さん]
ニコニコ共和国周辺
独立戦争で血を流した英霊達が見守っている。
[匿名さん]
女郎塚
安達太良山への登山口,奥岳登山口より登山道に入り,くろがね小屋へ向かう道の横,分かりにくい場所にこの女郎塚があるという。女郎塚は,かつてこの周辺に存在していた遊郭で働き,そして死んでいった女郎達をこの場に埋葬していたのを,後に手厚く供養するために築かれた塚である。
そのようないわく付きの場所のため,この付近においては心霊現象が発生する,と噂されているとのことである。
上記の話は,二本松市出身の職場の同僚より聞いた話である。さて,女郎塚を考査するためには,まず,近くにある岳温泉の歴史を紐解く必要がある。岳温泉というのは,元々現在の場所にはなく,もっと安達太良山寄りの場所にあり,その当時「湯日温泉」と呼ばれていた(現在は「元岳温泉」と呼ぶ場合もある。)。
特に,湯日温泉は,二本松の地を丹羽氏が治めていた江戸時代に温泉街として整備され,湯女(ゆな)が100人もいたなど,賑わいを見せていた。
しかし,文政7年(1824年)に同地で山津波が発生,一瞬にして温泉街が壊滅したため,翌年,二本松藩は湯日温泉から約6Km下の平地に,新たに「十文字岳温泉」という温泉街を作り上げた。
ところが,この十文字岳温泉は,慶応4年(1868年),戊辰戦争の戦火に焼かれてしまう。そこで,明治3年(1870年)現在の岳温泉の南西部に,新たに「深堀温泉」という,小さな旅館と共同浴場を作り上げたが,明治30年(1893年),旅館からの失火により,また温泉街は壊滅してしまう。そして,最後に作り上げたのが,現在の岳温泉(明治39年(1906年))になる。
岳温泉の歴史は以上のとおりとなるが,では,女郎塚はいつ頃の時代に関連するものだろうか。これは推測だが,やはり湯日温泉か,十文字岳温泉時代の頃の遊女が埋葬された場所なのではないだろうか。
当時,遊女等は現代では考えられないような扱いをされており,特に,死亡時には「投げ込み寺」と称される寺に文字通り投げ捨てられたとされる。この地でも,女郎達は悲惨な生活を送り,死してもまた丁重に弔われないなど,悲惨な扱いを受けた可能性は十分に高いと思われる。
現在こそ手厚く弔われているものの,それでもなお,女郎達の無念の思いが残っているのやも知れない。
[匿名さん]